毎朝の食卓から垣間見える、ママたちの「時短」作戦(メニュー決め編)

イマファミ通信 VOL.15

こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
当プロジェクトでは、オレンジページ「次のくらしデザイン部」と、『イマドキ家族の食事に関する共同研究』を実施しました。今回も前回に引き続き朝食にフォーカスしたリポートをお届けします。
共同研究の概要についてはVOL.11の記事に詳しく掲載しているので、そちらもぜひお読みください。

朝食準備の「時短」は、共働きママ・専業主婦ママの共通課題

Vol.14では、「1日を気持ちよくスタートしたい!」という意識から、ママたちがポジティブに割り切って朝食の支度をこなしている様子をお伝えしました。その背景にあるのは「朝はとにかく忙しくて時間がない!」という現実です。朝起きてから限られた時間の中で、作る・食べる(食べさせる)・後片付けをするという仕事をこなし、自分と家族が出かける時間に間に合わせる、という大変な思いをしているのは専業主婦ママも共働きママも同じ。全てのママたちは毎日訪れるそんな忙しい時間を、様々な「時短」の工夫で乗り切っているのです。

今回の調査を通じて、朝食準備の時短には大きく分けて2つの種類があることがわかりました。1つ目は「朝食のメニュー決め」、2つ目は「調理」です。また、同じ時短でも、専業主婦ママと共働きママの工夫の方法や意識には違いが見られました。Vol.15では、一つ目の「朝食のメニュー決め」の時短についてご紹介しましょう。

専業主婦ママは「子供のリクエストベースによる朝食作り」で時短

専業主婦ママのメニューは、子供からのリクエストに応えることによって決まっているケースが多く見られました。前回もお伝えしたとおりママたちには「1日を気持ちよくスタートしたい!」という思いがあります。子供たちが気持ちよくスムーズに食べてくれれば、時短にもつながります。そのため「子供の気分」に合わせた朝食作りを意識しているのでしょう。
また、たまにはおにぎりを猫の顔の形にするなど変化もつけて、朝から気分を盛り上げようと努力している姿も見られたほか、家庭によっては子供とパパのリクエストを聞き、それぞれの好みに合わせて用意しているママもいました。

このように、あらかじめ家族の食べたいものを聞き出すことによって、メニューに悩む時間を省いているのと同時に、朝の限られた時間で子供がスムーズに食べられるよう工夫している様子がうかがえました。

共働きママは「朝食メニューのパターン化」で時短

共働きママの朝食メニューの決め方については、「ワンパターン」「定番」という回答が最も多く見られました。その理由となっているのは、毎日違うメニューを考える余裕がないことのようです。ただ、「ワンパターン」の中でも肉まんをあんまんにしてみたり、ヨーグルトの種類を替えたり、たまには少し良いソーセージにしてみるなど、ちょっとしたアレンジや変化を加えている様子がうかがえました。

専業主婦ママと同様、朝食が進まない子供のために「リクエストを聞く」という回答も見受けられましたが、共通していたのは「リクエストは前日に聞いておく」ということ。また、リクエストといっても「卵の調理方法が選べる」「常備している調理不要の食材の中から好きな一品を選べる」「定番メニューのうち和食か洋食のいずれかを選べる」というように、ある程度決まったパターンの中から選んでもらうことが多いようです。

特に時短意識の強い共働きママは、朝食のメニューをパターン化しておき、さらにどのパターンにするか前日までに決めておくことで、当日の朝にメニューを考える時間をほぼゼロにして支度をスタートさせているのです。
そのようにパターン化したメニューの中でも、やはり「子供がよく食べてくれるもの」が強い味方。買物の時に子供が食べたいパンを選ばせるママ、「早く食べてくれる」「必ず完食してくれる」鉄板メニューでやりくりしているママも複数いました。時間に追われている共働きママたちは、子供が早く食べ終えてくれることも重要視していることがわかります。

以上のように、ママたちの朝食の支度においては、まず「メニューを決める」ところから時短の工夫をしている様子がうかがえました。次回は「調理」の時短の工夫についてお伝えしたいと思います。

調査概要

2018年度 『イマドキ家族の食事に関する共同研究』

朝食・夕食の9日間の写真日記調査

調査地域:
一都三県
調査方法:
MROC(オンライン日記調査)
調査対象:
長子が3歳~小学校4年生の、25~49歳女性 25ss
(共働き・専業主婦と子供の年齢で割付)
調査期間:
2018年9月1日(土)~9月14日(金)
※日記調査は9月1日(土)~9日(日)

上記ライター土屋 映子
(シニア ストラテジック プランナー)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

子育て家族に関する研究・情報発信、広告・コミュニケーションプランニング、商品開発、メディア開発等

>記事一覧はこちら

>記事一覧はこちら

  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

  • 荒井 麗子
    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2001年jeki入社。営業職として、主に商業施設の広告宣伝の企画立案・制作進行、雑誌社とのタイアップ企画などに従事。2011年より現職。現在は営業職で培った経験をベースに、プランナーとして商業施設の顧客データ分析や戦略立案などのプランニング業務に取り組んでいる。

  • 澤 裕貴子
    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

  • 土屋 映子
    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2004年jeki入社。営業職として、主に企業広告のマスメディアへの出稿などの業務に従事。2009年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、プランニング業務に取り組んでいる。

  • 河野 麻紀
    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。