
こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究所です。当研究所では、このたび住宅購入に関する調査・研究を行いました。コロナ禍によって、住宅購入にどのようなニーズが生まれたのか、お伝えしていきます。
※本研究では小学校6年生までの子を持つ親を対象としています。
住宅購入のタイミングは「3歳まで」が7割
共働きママ、専業主婦ママとも、持ち家(一戸建て・マンション)居住者の7割以上が、長子が3歳になるまでに現在の住居を購入しています。さらに、その約半数が長子が生まれる以前の購入であることが分かります。そのことから、保育園・幼稚園に通いはじめる以前に多くの方が購入を決断していることが読み取れます。

テレワークママで建て替え・住み替え指向が顕著に
住宅を購入したママたちが、かなり早い段階で購入を決断していることが分かりましたが、コロナ禍で増加したテレワークという新たなスタイルによって、住宅購入への意識も変化している様子がうかがえます。
まず、共働きで、かつテレワークを毎日実施しているママは、「ライフスタイルに合わせて住宅を売り買いすればよい」と考える方が半数を超えています。実際に「建て替え・住み替えを検討したい」と考えているのは、共働きママでもテレワーク頻度が高いほど多いという結果になりました。こうしたことから、テレワーク頻度が高い共働きママに、住宅の建て替え・住み替えの新たな需要が生まれていると思われます。
そして、その理由としては、テレワークによって通勤機会が減り、自宅にいることが増えたため現状の住居のあり方を見つめなおす機会が生まれたと考えられます。また、それをきっかけに、「購入した住居に住み続ける」のではなく、「ライフスタイルの変化に住居を対応させながら心地よく住む」という価値観が重要視されるようになったとも考えられます。


建て替え・住み替えに求めるのは、「仕事」や「遊び」のスペース
それでは、共働きママの住宅に対する「新たなニーズ」とは、どのようなものなのでしょうか。
「図表D」を見ると、テレワーク頻度が高くなるほど、「好みの住宅に住めるなら通勤が不便でも構わない」という意識の方が増えています。通勤機会が少ないほど、通勤への利便性よりも自分にとって快適な空間を求めるのは、当然とも言えるでしょう。
住宅は生活の中で様々な役割を持つ空間として捉えられ、様々なニーズが生まれてくると考えられます。「図表D」を見ると、テレワーク月1以上実施層(赤罫)で「狭くてもいいから個室数を増やしたい」という意識が高い傾向にあり、仕事場としてのニーズが増していることがうかがえます。それ以外にも、「子どもたちが遊べるスペース」に対するニーズもテレワーク月1以上実施層で若干ながら高い傾向にあり、自宅にいることが増えて「仕事や家事のためのスペースと子どもの遊び場を分けたい」と考える人が増えたと推測されます。
仕事・家事・育児と様々な役割をこなす共働きママにとって、テレワークの定着化とは、あらゆることを自宅で行うことを意味します。そうなった場合、それぞれの役割に応じた効率的な部屋の使い方や、オンとオフの切り替えに役立つスペース活用などが、ますます求められるようになるのは間違いないでしょう。

イマドキ家族の子供への意識実態調査
- 調査地域 : 首都40km圏(東京を中心とする40km圏内の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
- 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
- 調査対象 : 長子が小学校6年生以下の25~49歳の既婚男性・女性 計1,591サンプル
夫婦同居であること。親同居者は除外(女性側の勤務形態、子供の学齢で割付) - 調査期間 : 2021年2月10日(水)~2021年2月18日(木)
高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/シニア ストラテジック プランナー
調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。