
前回のイマファミ通信VOL.47で、「共働きママ」と「共働き女性(子供なし)」の時間的余裕度の違いや、自炊頻度の違いを見てきました。今回は「現在子供のいない共働き夫婦」の、自宅での夕食の実際の写真をいくつかご紹介いたします。
遅い時間の帰宅後、スピーディにお腹を満たしたい
「子供のいる共働き家族」との違いがあるものをピックアップしてみると、「ファストフード」「パスタ」の夕食が目立つほか、「子供のいる共働き家族」の夕食ではほとんど見られなかった「パンだけ」などの単品の夕食、あるいは「お菓子だけ」の夕食が複数見られました。
「共働き夫婦(子供なし)」での夕食では、帰宅時間が遅いためにスピーディにお腹を満たせるものが好まれているのかもしれません。また、成長期の子供がいる「共働き家族」に比べて、食事の栄養バランスについて説かれることが少ないことも考えられます。

整理すると、以下のような違いとなっています。「忙しくて時間がない」「家事時間を短縮したい」という思いは同じでも、その解決方法には違いが見られました。共働きターゲットのマーケティングやコミュニケーションにおいても、同じ共働きでも異なるニーズがあるという点を念頭に置く必要があります。

共働き男性の家事実施、子供有無での違い
最後に、男性の家事実施率を見てみます。共働き夫婦では、子供の有無にかかわらず、男性の家事実施率は高い水準にありました。
「夕食作り」「トイレ掃除」については、共働きパパより、子供のいない共働き男性のほうが10ポイント以上実施率が高い結果となっていました。
特に「夕食作り」に関しては、大人だけの世帯の場合、成長に必要な栄養をとらせることを強く意識する必要がないために、家事担当のハードルが下がっているのかもしれません。あるいは、男性が自分の身体作りのために、ダイエット食や高タンパクレシピなど、育児とは違った視点で料理をしている可能性も考えられます。
「共働き子育て家族」と「共働き夫婦(子供なし)」では、時短ニーズや夫の家事実施率の高さは共通するものの、その背景にある意識は異なるという点を踏まえ、コミュニケーションを考えていく必要があると言えるでしょう。

2021年度「共働き夫婦に関する調査」
- 調査地域 : ●首都40km圏(東京駅を中心とする40km圏内の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
●中京圏(愛知県、岐阜県、三重県)
●関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)
※今回の記事においては首都40km圏のみのデータを使用しています。 - 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
- 調査対象 : 25~39歳の既婚男女で子供がいない方 計1600ss
夫婦同居であること。親同居者は除外
(女性側の勤務形態、居住地域で割付) - 調査期間 : 2021年11月26日(金)〜12月7日(火)
2021年度「子育て家族に関する調査」
- 調査地域 : 首都40km圏(東京駅を中心とする40km圏内の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
- 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
- 調査対象 : 末子小学校3年生以下の25~49歳の既婚男性・女性 計1800ss
夫婦同居であること。親同居者は除外
(女性側の勤務形態、子供の学齢で割付) - 調査期間 : 2021年8月31日(火)~9月13日(月)
2018年度 『イマドキ家族の食事に関する共同研究』
夕食の実態と支度に関する調査
- 調査地域 : 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県(東京駅を中心とする40km圏)
- 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
- 調査対象 : 満1歳〜小学校4年生以下の長子がいる25~49歳の既婚女性 978ss
夫婦と子どものみの同居世帯である人。
(女性側の勤務形態と子供の年齢で割付) - 調査期間 : 2018年6月8日(金)〜14日(木)
高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/シニア ストラテジック プランナー
調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。