共働き家族の家事を「子供の有無」で比べてみると<前編>

イマファミ通信 VOL.47

イマドキファミリー研究所では、「共働きママ、パパ」に着目して研究を行ってきましたが、「現在子供のいない共働き夫婦」との比較分析の結果をご紹介します。(※今回は、首都40㎞圏在住の25~39歳での比較です)

退社時間と時間的余裕度

まず、妻側の、勤務先を退社する時間を見てみましょう。「共働きママ」の退社時間は、「~17時台」が81.3%と、多くの方が17時台までに退社しています。一方、「共働き女性(子供なし)」では、「~17時台」が36.6%と共働きママに比べて低い割合となっており、「18時台」が37.1%、「19時台~」に退社している方も26.3%と4分の1以上を占めています。

次に、「時間的余裕があるほうだ」という質問に対し、妻側に「そう思う」から「そう思わない」まで5段階で回答してもらった結果を見てみます。「共働きママ」では、「時間的余裕あり(そう思う+ややそう思う)」が40.0%であるのに対し、「共働き女性(子供なし)」では「時間的余裕あり」が59.5%と、20ポイント近い差がついています。

共働きママは、子供のいない共働き女性より退社時間は早いものの、時間的余裕はかなり少ないという結果です。

育児有無だけではない、家事における違い

「育児」がある分、共働きママのほうが時間的余裕がないということは容易に想像できると思いますが、「家事」の有無では、違いがあるのでしょうか。

大きな違いがあったのは、「平日の自炊頻度」でした。「共働きママ」では週5日の自炊実施率が70.9%なのに対し、「共働き女性(子供なし)」では38.0%と30ポイント以上低い結果です。自炊をする時間がなくても、気軽に外食で済ますことが難しいこともある共働きママでは、時間的余裕のなさを市販の冷凍食品やチルド食品などの「お助け食品」を活用することで乗り切ることが共働き女性(子供なし)に比べて多く、市販の“お助け食品”の夕食での週1以上利用率にも大きな違いがありました。

共働きママと、子供のいない共働き女性では、自炊をしている場合でもその内容にも違いが見られました。
次回は、子供のいない共働き夫婦の「自宅での夕食」を中心に見ていきます。お楽しみに!

2021年度「共働き夫婦に関する調査」

  • 調査地域 : ●首都40km圏(東京駅を中心とする40km圏内の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
         ●中京圏(愛知県、岐阜県、三重県)
         ●関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)
         ※今回の記事においては首都40km圏のみのデータを使用しています。
  • 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
  • 調査対象 : 25~39歳の既婚男女で子供がいない方 計1600ss
         夫婦同居であること。親同居者は除外
         (女性側の勤務形態、居住地域で割付)
  • 調査期間 : 2021年11月26日(金)〜12月7日(火)

2021年度「子育て家族に関する調査」

  • 調査地域 : 首都40km圏(東京駅を中心とする40km圏内の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
  • 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
  • 調査対象 : 末子小学校3年生以下の25~49歳の既婚男性・女性 計1800ss
         夫婦同居であること。親同居者は除外
         (女性側の勤務形態、子供の学齢で割付)
  • 調査期間 : 2021年8月31日(火)~9月13日(月)

上記ライター高野 裕美
(イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

子育て家族に関する研究・情報発信、広告・コミュニケーションプランニング、商品開発、メディア開発等

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  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

  • 荒井 麗子
    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2001年jeki入社。営業職として、主に商業施設の広告宣伝の企画立案・制作進行、雑誌社とのタイアップ企画などに従事。2011年より現職。現在は営業職で培った経験をベースに、プランナーとして商業施設の顧客データ分析や戦略立案などのプランニング業務に取り組んでいる。

  • 澤 裕貴子
    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

  • 土屋 映子
    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2004年jeki入社。営業職として、主に企業広告のマスメディアへの出稿などの業務に従事。2009年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、プランニング業務に取り組んでいる。

  • 河野 麻紀
    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。