毎朝の食卓から垣間見える、ママたちの「時短」作戦(調理編)

イマファミ通信 VOL.16

こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
当プロジェクトでは、オレンジページ「次のくらしデザイン部」と、『イマドキ家族の食事に関する共同研究』を実施しました。共同研究の概要についてはVOL.11の記事に詳しく掲載しているので、そちらもぜひお読みください。
今回も前回に引き続きママたちの朝食の「時短」の工夫に関するリポートをお届けします。

前回は、忙しい朝の食事の支度の中で「朝食のメニューに悩む時間」を時短している様子をお伝えしました。特に共働きママの場合、当日の朝はメニューに悩む時間をほぼ「ゼロ」にしてスタートするなど、より時短意識が強いことがわかりました。
今回は、2つ目のポイントである「調理」の時短について、専業主婦ママと共働きママそれぞれの工夫の様子をお伝えしたいと思います。

専業主婦ママは朝食・夕食・弁当、料理転用術で時短

専業主婦ママの調理の「時短」は、「火を使わずトースターで調理を済ませる」など調理自体を工夫するケースもありましたが、「前日の残りものを活用する」「お弁当のおかずを転用する」という声が多く集まりました。朝食・夕食・弁当と、1日何種類も食事を準備する専業主婦ママにとっては、それらをうまく組み合わせて転用することが基本の工夫のようでした。ここで浮かび上がってきたのは、様々な料理を転用することによって朝の調理を時短するだけでなく、「品数」を増やしたいという専業主婦ママたちの意識です。

また、コミュニティサイトではまだ少数派でしたが「常備菜を作り置きしておく」という声もあり、他のママたちから今後真似して活用してみたいというコメントが多数ありました。「常備菜」を作り置きすることで当日の調理の時間を省きつつ、「メニューのバリエーションを増やしたい」という「脱ワンパターン」を目指す様子がうかがえます。
「気負いすぎず、食事の時間を楽しいものにする」ことを念頭に、時にはインスタント食品や冷凍食品を取り入れることもあるようですが、それも品数・バリエーションを増やすための工夫のひとつのようです。

同時に「朝食でも野菜を食べてほしい」という専業主婦ママたちの思いも伝わってきました。野菜が手軽に食べられて時短にもなる料理を作るという回答のほか、「朝、野菜を摂ってほしいので大鍋に具だくさんスープや野菜たっぷり味噌汁を作ってストック」という声も。朝はたくさんの野菜を調理する時間がないため、スープを「作り置き」するなど試行錯誤しているのでしょう。

共働きママの「時短」の武器は、調理しないで済む食品

共働きママたちの時短の工夫で特徴的だったのは、ほとんど調理をしないで済む食品の多さでした。
登場率の高い食材は、ヨーグルト・そのまま食べられるベビーチーズ・厚揚げやさつま揚げ・肉まんといったものです。共通しているのは、たんぱく質を摂れるということです。肉まんはそれだけで主食の役割も果たすということもあり、コミュニティサイトでは他の共働きママも今後取り入れたいというコメントが多数見受けられました。たんぱく質が効率よく摂れるヨーグルトやチーズは元々注目されている食品ですが、寒い季節には簡単で温かいメニューとして肉まんや厚揚げ・さつま揚げが重宝されているようです。
また、栄養バランスを手軽に補えるグラノーラや、野菜の代わりとしてのフルーツも登場率が高い食品でした。
時短のためなるべく調理の工程が少なくて済む食品を選ぶことを意識していることがうかがえますが、その中でも「栄養が摂れる」ことを重視して、毎朝の朝食に取り入れているようです。

共働きママたちは「1日を気持ちよくスタートさせたい!」という意識でポジティブに割り切っている様子ですが、その分、休日は豪華な朝食にしたり、夕食で品数を増やしたり、野菜を摂ることを意識しているママも多いようでした。

今回の調査で見えてきたのは、専業主婦ママも共働きママも「時短」を意識しつつ家族の健康を大切に考え、できるだけバランスよく栄養を摂ることができるように日々試行錯誤している様子です。
専業主婦ママたちは、しっかり栄養を摂りたいと思いながらも「脱ワンパターン」を目指し、日々悩んでいるようです。一方、共働きママたちの場合は、栄養価が高くて調理が不要な食品を積極的に取り入れて、家族の栄養に気を配る姿が顕著に見られました。より時短意識の強い共働きママたちにとって、こうした食品はまさに「朝食の救世主」とも言える存在なのではないでしょうか。

調査概要

2018年度 『イマドキ家族の食事に関する共同研究』

朝食・夕食の9日間の写真日記調査

調査地域:
一都三県
調査方法:
MROC(オンライン日記調査)
調査対象:
長子が3歳~小学校4年生の、25~49歳女性 25ss
(共働き・専業主婦と子供の年齢で割付)
調査期間:
2018年9月1日(土)~9月14日(金)
※日記調査は9月1日(土)~9日(日)

上記ライター土屋 映子
(シニア ストラテジック プランナー)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

子育て家族に関する研究・情報発信、広告・コミュニケーションプランニング、商品開発、メディア開発等

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  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

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    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2001年jeki入社。営業職として、主に商業施設の広告宣伝の企画立案・制作進行、雑誌社とのタイアップ企画などに従事。2011年より現職。現在は営業職で培った経験をベースに、プランナーとして商業施設の顧客データ分析や戦略立案などのプランニング業務に取り組んでいる。

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    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

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    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2004年jeki入社。営業職として、主に企業広告のマスメディアへの出稿などの業務に従事。2009年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、プランニング業務に取り組んでいる。

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    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。