早く帰宅して家事・育児を担う、イマドキの共働きパパたち

イマファミ通信 VOL.6


こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
さて、これまでママについての記事が続きましたが、第6回目ではシリーズで初めてパパについての話を紹介したいと思います。チームの活動とプロジェクトの目的についてはVOL.1の記事に詳しく記載しているので、そちらもぜひお読みください。

ママに任せきりにはしない! 共働きパパは積極的に家事・育児に関わっている

まずは、パパたちが仕事のある平日にどれくらい家事を行っているか見ていきましょう(グラフA)。グラフAは、各家事実施率についてのパパ自身の回答で、「自分で行う+どちらかといえば自分が行う+ほとんど(自分と妻の)2人で行う」割合を見たものです。この結果から、共働きパパの家事実施率は、妻が専業主婦のパパの実施率に比べて総じて高いことがわかりました。中でも「通常のゴミだし」「風呂掃除」「日々の食料品や日用品の買い出し」「部屋の片付け」「夕食片付け」については、共働きパパの実施率は5割を超え、妻が専業主婦のパパに比べて20ポイント以上高くなっています。共働き家庭では、毎日の家事を夫婦でシェアしている様子が伺えます。

続いて、同じく平日の育児の実施率を見ていきます(グラフB)。やはり、妻が専業主婦のパパに比べて共働きパパのほうが実施率は高く、「夕方〜夜の遊び相手」「お風呂に入れる」は6割前後となっています。また、「子どもにご飯を食べさせる」「歯磨きする」「トイレのサポート」といった日常の細々した育児を担っているパパも少なくありません。ママも平日の夕方から夜は大忙しの共働き家庭では、育児全般についてもパパの参加が求められているのでしょう。

パパたちの家事・育児の参加率には、帰宅時間が大きく影響?

共働きパパと妻が専業主婦のパパの家事・育児実施率の違いはどこからくるのでしょうか。私たちはここでパパたちの帰宅時間に注目しました。勤務先からの帰宅時間を聴取すると、17〜19時台に帰宅する共働きパパの割合は約半数を占めており、妻が専業主婦のパパよりも早い時間帯に帰宅している割合が高いという結果に(グラフC)。もともと早めに帰宅しやすい仕事なのか、あるいは家事や育児に参加するために早く帰るようにしているのか、この結果だけではわかりませんが、いずれにしても、帰宅後のパパの家事・育児参加を後押ししているのが、彼らの帰宅時間の早さであると考えられます。

ただ、妻が専業主婦のパパが、共働きパパに比べて家事・育児参加に消極的かというと、そういうわけではなさそうです。「家事・育児・仕事に対する意識」(グラフD)を見ると、「時間に余裕ができると、できるだけ子どもと向き合うようにしている」という意識は、共働きパパも妻が専業主婦のパパも同程度の割合です。前述の帰宅時間帯との関連を考え合わせると、もっと早い時間に仕事から帰ることができれば、妻が専業主婦のパパたちの家事・育児の参加率は高まる可能性もあるのではないでしょうか。

ちなみに、「普段の家事や育児、仕事に対する意識」(グラフD)をよく見ると、共働きパパの「自分の趣味や休息より子供優先」「自分の仕事より子供優先」という意識は、妻が専業主婦のパパよりは高いものの、共働きママに比べると低い水準にとどまっています。イマドキパパの意識がママと同じになるまでには、もう少し時間がかかるのかもしれません。

■調査概要 「2016年度 共働き家族の実態調査」
・調査地域:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
    (東京駅を中心とする40km圏)
・調査方法:インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
・調査対象:末子年齢が0〜9歳の、25〜49歳の既婚男女1710ss
     夫婦同居であること。親同居者は除外。
    (女性側の勤務形態と子供の年齢で割付)
・調査期間:2017年2月10日(金)〜19日(日)

上記ライター高野 裕美
(イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

子育て家族に関する研究・情報発信、広告・コミュニケーションプランニング、商品開発、メディア開発等

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  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

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    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2001年jeki入社。営業職として、主に商業施設の広告宣伝の企画立案・制作進行、雑誌社とのタイアップ企画などに従事。2011年より現職。現在は営業職で培った経験をベースに、プランナーとして商業施設の顧客データ分析や戦略立案などのプランニング業務に取り組んでいる。

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    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

  • 土屋 映子
    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2004年jeki入社。営業職として、主に企業広告のマスメディアへの出稿などの業務に従事。2009年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、プランニング業務に取り組んでいる。

  • 河野 麻紀
    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。