あなたはどのタイプ?
人の移動特徴から見えてきた7タイプの“MOVERクラスター”

Move Design Lab VOL.9


みなさんは仕事終わり、どのように過ごされていますか? 例えば、必ず駅ビルに寄っていく人やジムへ汗を流しに行く人、はたまた寄り道をせずに家へ帰る人、人それぞれの移動があると思います。
移動の未来について考えながら“新しい移動”を構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」では、普段の移動行動の実態から7タイプの“MOVERクラスター”を分類しました。今回は、その7タイプの“MOVERクラスター”をそれぞれご紹介していきます。

“MOVERクラスター”の名称と特徴

“MOVERクラスター”は、「MOVE実態調査2017」を基に、有職者ベースで、仕事を除く平日・休日の移動量、移動の目的、移動時の同行者を掛け合わせて分類しています。

とにかく移動量が多い! 仲間と一緒が大好き「ソーシャルアクティブMOVER」(構成比8.9%)


7つのクラスターの中で最も移動量が多く、仲間が多く集まる飲み会やイベントが大好きなクラスターです。誘われれば、どんなところにも顔を出しちゃうようなフットワークの軽さとノリの良さが特徴です。また、流行を捉えた服装や髪形を意識しており、見た目にも気を遣っている傾向にあります。一方で、他者を意識した行動を多く取っているためか、ストレスを強く感じがちです。内なる部分では少し頑張りすぎているのかもしれません。

我が道を行く。好きなことや興味のあることのために移動を楽しむ「ソロアクティブMOVER」(構成比8.5%)


移動量は7つのクラスターの中で2番目に多く、主に1人の時間を充実させるための移動を大切にしているクラスターです。自分の好きなことや興味のあることに対しマイペースに移動しているのが特徴です。あくまでも“自分のやりたいこと”が移動の動機となっており、目的地が合えば友人とも外出をしています。また、服装なども個性的なものを好み、移動行動と同様に周りに流されない傾向にあります。

地元をこよなく愛す「ローカルMOVER」(構成比9.2%)


地元中心の移動をメインとしているため、「移動範囲」は狭いものの、移動量は多いクラスターです。とにかく地元への愛が強く、地元商店街で買い物をし、行きつけのお店や顔なじみのお店に好んで足を運んでいます。また、慣れ親しんだ場所での移動ということもあり、スニーカーや動き易い服を選ぶ特徴があります。

家族の時間を大切にする「ファミリーMOVER」(構成比13.8%)


移動を考える際の基準が家族のため、休日の移動量が多いクラスターです。目的地は家族全員が楽しめる娯楽施設や公園、家族で使用する大型日用品、食材が購入できるショッピングセンターなどが中心となっています。また、家族揃って移動していることから、車を使った移動が他のクラスターに比べて高いという特徴があります。

良くも悪くもクセがない「シンプルMOVER」(構成比21.6%)


7タイプの中で構成比が最も高く、移動量は平均的なクラスターです。仕事終わりはすぐに帰宅し、休日は生活に必要な買い物をしています。職場からの帰宅時、時々寄り道をしたり、1人で外食をしたりもしています。寄り道の際は、コンビニでスイーツを購入するなど、自分への“ご褒美”を大切にするという傾向もあります。

平日と休日はしっかり使い分け。合理的な行動を好む「メリハリMOVER」(構成比18.5%)


地図アプリを上手に活用するなど合理的移動を好み、やや移動量は控えめなクラスターです。平日の仕事終わりは寄り道をせずサッと帰宅するのに対し、休日は生活に必要な買い物や趣味活動をしています。平日と休日のオン/オフを上手に切り替えているものの、合理性を求めるあまりか、ややストレスを溜め込んでしまっている人が多い傾向にあります。

移動はとにかく最小限に抑えたい「ミニマムMOVER」(構成比19.4%)


7タイプの中で最も移動量が控えめなクラスターです。あまり外出すること自体を好んでおらず、家から出なくても欲しいものが手に入る、ネット通販などを上手に活用しています。また、関心ごとや興味のあることが少なく、服装も簡素なものが多くなっています。外出が少なく、節約志向も高いことからできる限り生活全体を小さく収めようと心がけているのが特徴です。
それぞれのクラスターの月あたり移動回数を並べてみると、下表となります。
最も多く移動している「ソーシャルアクティブMOVER」と、最も移動の少ない「ミニマムMOVER」の移動回数を比較すると、「ソーシャルアクティブMOVER」は「ミニマムMOVER」の4倍以上移動していることがわかります

みなさんは今回ご紹介した7タイプの“MOVERクラスター”の中で、自分はどのタイプに当てはまると思いましたか?
次回は、各クラスターの月あたり目的別移動回数を比較しながら、“MOVERクラスター”を更に詳しくご紹介していきます。
※各イラストはデータ上の特徴を元にしたイメージになります。
■調査概要
○「MOVE実態調査2017」
調査主体 株式会社ジェイアール東日本企画 Move Design Lab(MDL)
調査手法 インターネットアンケート調査
調査期間 2017年3月7日~3月8日
調査エリア 全国
調査対象者 20~79歳の男女(学生除く)
サンプル数 2,200(うち有職者数:1,031)

上記ライター中里 栄悠
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Move Design Lab

Move Design Labは生活者の「移動行動」を探求し、”新しい移動“を創発していくことをミッションに始動したプロジェクトチーム。その取り組みをシリーズで紹介していきます。

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  • 五明 泉
    五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長

    1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。

  • 中里 栄悠
    中里 栄悠 Move Design Lab プロジェクトリーダー/シニア ストラテジック プランナー/TRAIN TV ブランドマネージャー

    2004年jeki入社。営業局、駅消費研究センター、アカウントプロデュース局を経て、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。シニア・ストラテジック・プランナーとして、メーカー、サービス、小売など幅広い企業のコミュニケーション戦略立案に携わる。

  • 彦谷 牧子
    彦谷 牧子 Move Design Lab データアナリスト/ シニア ストラテジック プランナー

    リサーチ・コンサルティング会社を経て、2009年jeki入社。JR東日本保有データの分析・活用業務に従事した後、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。化粧品、トイレタリー、通信機器等幅広いクライアントのコミュニケーション戦略をはじめとしたプランニングを担当。

  • 市川 祥史
    市川 祥史 Move Design Lab リサーチプランナー/ データアナリスト

    市場調査会社にて、企業のマーケティング課題の解決に従事。2017年jeki入社。コミュニケーションプランニング局配属。交通広告・キャンペーンの効果測定を中心に、クライアントの課題発見・解決を支援する。

  • 鷹羽 優
    鷹羽 優 Move Design Lab ブランドコンサルタント

    ブランド戦略を専門とし、菓子・飲料・生活雑貨・人材など多くのブランド開発、リブランディングを手掛けた後、2018年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。ブランドマネジメントの観点からコミュニケーション立案を行う。

  • 松本 阿礼
    松本 阿礼 駅消費研究センター研究員/お茶の水女子大学 非常勤講師/Move Design Lab・未来の商業施設ラボメンバー

    2009年jeki入社。プランニング局で駅の商業開発調査、営業局で駅ビルのコミュニケーションプランニングなどに従事。2012年より駅消費研究センターに所属。現在は、駅利用者を中心とした行動実態、インサイトに関する調査研究や、駅商業のコンセプト提案に取り組んでいる。

  • 渡邉 裕哉
    渡邉 裕哉 Move Design Lab ストラテジック・プランナー

    2020年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。飲料、トイレタリー、ホテルなどのプランニングを担当する。

  • 明山 想
    明山 想 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。BtoB、トイレタリー、クレジットカード会社などのプランニングを担当。

  • 片山 晴貴
    片山 晴貴 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局配属。 家電、損害保険、不動産などのプランニングを担当する。