こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
今回はVol.13の続編として夕食についてお届けします。Vol.13では、忙しい共働きママたちは作り置きで品数を増やすなど日々工夫していることをお伝えしましたが、今回は市販の冷凍食品やレトルト食品等の“お助け食品”の利用に着目。共働きママたちの意識に迫ります。
調理を簡便化したい気持ちは同じでも、共働きママの方が“お助け食品”を多用
まず、日々の夕食に関するママたちの「食事の支度価値観」(グラフA )を見てみましょう。「美味しく仕上がるのであれば、調理方法は簡便でも良いと思う」という項目については、共働きママ・専業主婦ママともに9割近くの人が「あてはまる」と回答。また、「栄養が摂れているなら、調理方法は簡便でも良いと思う」という意識も高く、“調理方法を簡便化したい”という意識は共働きママ・専業主婦ママ共通の価値観と言えそうです。

では、実際にはどの程度、食事支度の簡便化につながる具体的な工夫をしているのでしょうか。グラフBは平日の家族の夕食に、“お助け食品”を利用しているかを示す調査結果です。これによると、冷凍食品やチルド食品、液体のおかずの素などの “お助け食品”を月1回以上利用する割合が、共働きママは専業主婦ママよりいずれも高くなっていることがわかります。特に「市販の冷凍食品」「市販の調理済みチルド食品」「液体のおかずの素」「市販のカット野菜」の利用は、共働きママで専業主婦ママより15pt程度高い利用率となっています。
このことから、平日の夕食の支度により大きな負担を感じている共働きママは、冷凍食品やおかずの素などを上手に活用して、平日の夕食を乗り切っている様子がうかがえます。

共働きママ・専業主婦ママともに「おかずの素」などの利用に肯定的
ところで、こうした“お助け食品”を使うことに対して、ママたちはどう思っているのでしょうか。 “お助け食品”のカテゴリー別に、家族の夕食への利用を良いと思うかどうかの調査結果を示した表Cをご覧ください。「液体おかずの素」を「良いと思う」共働きママは7割超、「粉末おかずの素」は7割弱、 「レトルト食品」も約6割がよしとしています。この結果については共働きママ・専業主婦ママでの大きな差は見られず、ママたちは「お助け食品」を家族への夕食にポジティブな意識で利用していることがわかりました。

“お助け食品”利用に積極的なママのほうが料理好き?
最後に、さらに興味深いデータをご紹介しましょう(グラフD)。
共働きママの中で、おかずの素などの“お助け食品”を平日の家族の夕食として月1回以上利用している人と、月1回未満の利用又は非利用の人で、料理好き度を比較してみたところ、“お助け食品”をよく利用している人の方が「料理が好き」と答える割合が高い傾向にあることがわかりました。ちょっと意外な結果と思う人もいるかもしれませんが、「心の余裕」をキーワードに考えると腑に落ちるのではないでしょうか。つまり、時間をかけずに手軽に料理ができるような食品の活用によって、時間的余裕だけではなく、ストレス軽減から心に余裕が生まれ、「料理が好き」というポジティブな気持ちを後押ししていると考えられます。

手間や時間の短縮だけではなく、共働きママの料理へのポジティブマインドも後押ししている“お助け食品”。
お助け食品は、共働きママにとって心強い「相棒」と呼べる存在なのかもしれません。
今回の調査結果は、オレンジページ「次のくらしデザイン部」と、『イマドキ家族の食事に関する共同研究』からリポートしました。共同研究の概要についてはVol.11の記事に詳しく掲載しているので、そちらもぜひお読みください。
- 調査概要
- 2018年度 『イマドキ家族の食事に関する共同研究』
- 夕食の実態と支度に関する調査
- 調査地域:
- 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
(東京駅を中心とする40km圏) - 調査方法:
- インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
- 調査対象:
- 満1歳〜小学校4年生以下の長子がいる25~49歳の既婚女性 978ss
夫婦と子どものみの同居世帯である人。
(女性側の勤務形態と子供の年齢で割付) - 調査日:
- 2018年6月8日(金)〜14日(木)
高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/シニア ストラテジック プランナー
調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。