忙しくても栄養はおろそかにしたくない。ママたちの工夫の実態

イマファミ通信 VOL.13

忙しくても栄養はおろそかにしたくない。ママたちの工夫の実態

こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
当プロジェクトでは、オレンジページ「次のくらしデザイン部」と、『イマドキ家族の食事に関する共同研究』を実施しました。前回に続いて今回も共働きママの夕食事情について掘り下げていきます。今回は、実際の夕食の食卓に、どのようなメニューや食材が登場しているのかについて分析してみました。共同研究の概要についてはVOL.11の記事に詳しく掲載しているので、そちらもぜひお読みください。

平日の”時短”のために半数の共働きママが「作り置き」を用意

忙しい平日の夕方。ママたちは夕食の支度にどれくらい時間をかけているのでしょうか。調査によると、夕食の調理と配膳にかける時間の平均時間(事前の下ごしらえや作り置きの時間は含まない)は、専業主婦ママで40.1分、共働きママで32.6分と、共働きママの方が7分程短い時間でした。内訳をグラフAで見てみると、両者共に「30~45分程度」がボリュームゾーンであり、この割合は共働きママ・専業主婦ママともに大きな差がありませんでした。一方、「20分程度以下」は、共働きママが専業主婦ママより15pt以上高く、「1時間程度以上」は専業主婦ママが共働きママより15pt以上高い結果となりました(グラフA)。
次に、ママたちが夕食のために定期的に行っているものについての調査結果を見てみましょう(グラフB)。「おかずの作り置き」「下ごしらえや下味をつけた食材を冷凍保存」「食材を切って保存」などの工夫を定期的に行っている人の割合は、共働きママの方が専業主婦ママに比べて多いことがわかりました。平日、夕方に帰宅することが多くなる共働きママたちは、少しでも夕食の支度時間や負担を減らすために、日頃から工夫をしている様子が伺えました。

グラフA
グラフB

共働きママは「時間をかけなくても、栄養が摂れる」食材やメニューを選ぶ

続いて平日の家族の夕食に登場する具体的な食材や調理方法について聞いてみました(グラフC)。共働きママ、専業主婦ママともに、食材として「魚」より「肉」が多く、調理方法として「煮物」より「焼き物/炒め物」が多く登場することが分かりました。共働きママで「煮物」が専業主婦ママより多く登場するのは、作り置きをしているからではないかと推察され、作り置きができない「サラダ/生野菜」については専業主婦ママの方が登場率が高くなっています。
一方、サラダより手軽に準備できる「果物」は共働きママの方が登場率が高いことを見ると、時間はかけられなくても家族にはビタミンなどの栄養を摂取してもらいたいという意識を持っていることが感じられます。
また、実際に食卓に並ぶメニューを見ても、共働きママと専業主婦ママでは違いが見られました(グラフD)。
共働きママでは、平日の家族への夕食に「麺類」を週1日以上出す割合が44%(専業主婦ママは35%)、「カレーやシチュー」が28%(専業主婦ママは23%)と多くなっていました。こうしたことから、多くの品数を必要としないメニューや、調理時間が短くなるメニューを取り入れることで、時間がない中での平日の夕食作りをやりくりしている様子が伺えました。

グラフC
グラフD

「子供が喜んだ」「栄養バランス良し」etc.共働きママのリアルな食卓写真を公開!

今回は夕食定量調査と合わせて、実際の夕食の食卓画像の分析も行いました。その中から、共働きママの食卓写真の一部をご紹介します。

実際の写真を見ても、作り置きのおかずを活用したり、シチュー、麺類などの単品メニューを多く取り入れたりして、日々の家族の夕食を工夫しながらやりくりしている様子が伺えました。
また、果物を取り入れたり、うどん単品メニューでも野菜をたっぷり目に入れたりなど、家族の“栄養バランス”に気を使っていることを感じる写真が多く見受けられました。
ママたちの心を掴むには、“時短”も大切なポイントではありますが、「手早く、且つ、家族に栄養バランス良く食べてもらいたい」という思いに寄り添うことも大切なポイントとなりそうです。

■調査概要

2018年度 『イマドキ家族の食事に関する共同研究』
jeki「イマドキファミリー研究プロジェクト」とオレンジページ「次のくらしデザイン部」共同で長子が満1歳〜小学校4年生の子供を持つ共働きママ、専業主婦ママを対象に食事に関する調査・分析を実施。

①夕食の実態と支度に関する調査

・調査地域:
東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
(東京駅を中心とする40km圏)
・調査方法:
インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
・調査対象:
満1歳〜小学校4年生以下の長子がいる25~49歳の既婚女性 978ss
夫婦と子どものみの同居世帯である人。
(女性側の勤務形態と子供の年齢で割付)
・調査日:
2018年6月8日(金)〜14日(木)

②夕食の食卓写真分析

・調査方法:
『①夕食の実態と支度に関する調査』の回答者978名の中から97名の協力が得られ、251枚(食卓画像)をモニター自身でアップロードしてもらい回収
※1名につき最低1日、最高3日の食卓を提出
※メニュー/支度時間/コメントも同時聴取
・調査対象:
『①夕食の実態と支度に関する調査』と同様
・調査対象地域:
『①夕食の実態と支度に関する調査』と同様
・調査日:
2018年6月18日(月)~7月2日(月)

上記ライター荒井 麗子
(シニア ストラテジック プランナー)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

子育て家族に関する研究・情報発信、広告・コミュニケーションプランニング、商品開発、メディア開発等

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  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

  • 荒井 麗子
    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2001年jeki入社。営業職として、主に商業施設の広告宣伝の企画立案・制作進行、雑誌社とのタイアップ企画などに従事。2011年より現職。現在は営業職で培った経験をベースに、プランナーとして商業施設の顧客データ分析や戦略立案などのプランニング業務に取り組んでいる。

  • 澤 裕貴子
    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

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    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2004年jeki入社。営業職として、主に企業広告のマスメディアへの出稿などの業務に従事。2009年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、プランニング業務に取り組んでいる。

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    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。