オンラインで広告主の課題に伴走する新たな広告サービスのカタチとは

キクコト VOL.1

写真上:マーケティングサイエンスラボ 代表取締役・本間充氏
写真下:jeki オンライン営業局編集部 編集長・脇谷将史

2000年代以降、デジタルの台頭により、広告を取り巻く環境は大きく変化した。
また、新型コロナウイルスの感染拡大は、その動きを加速化させただけでなく、コミュニケーションの様式までも一変させることとなった。
ジェイアール東日本企画(jeki)は、このような急激な環境変化を契機とし、2021年5月に新サービス「ジェイアール東日本企画オンライン相談室 キクコト」をローンチした。オンライン上のプラットフォームで、専属の相談パートナーが広告主企業の相談に応じ、課題解決に向けた提案まで無料で対応する本サービスが生まれた背景や狙いについて、マーケティングサイエンスラボ 代表取締役でjekiのシニアアドバイザーを務める本間充氏と、「キクコト」を運営するjekiオンライン営業局編集部編集長の脇谷将史が語った。

変化する広告主とのコミュニケーションに、オンライン相談が効く

本間:2000年代以降、広告業界は加速度的に変化を遂げてきました。デジタル化の進展により、メディア環境は大きく様変わりし、ターゲットはマスから個へと細分化しました。広告代理店はマスメディアの枠売りだけでは立ちいかなくなり、今やコンサルティング会社が競合となりつつあります。広告代理店の事業ドメインも、業界の勢力図も大きく様変わりするなか、jekiはどのような変化を遂げてきたのでしょうか。

脇谷:会社名から、JR東日本グループのハウスエージェンシー、あるいはJR東日本の交通媒体を管理・販売する媒体社というイメージを持たれている方も多いと思います。もちろん、そうした顔は、事業ドメインの大きな柱ですが、jekiは会社発足以来、広告主企業の課題解決に向けたソリューションを提供する、いわゆる総合広告会社としての領域に取り組み、その扱いを拡大し続けてきました。また、ポケモンをはじめとしたアニメ・映画キャラクターを活用したコンテンツビジネスや、地域創生ビジネスなどの得意領域を伸ばし、デジタル領域においては、専門子会社を複数設立するなど、時代とともに変化する広告主企業のニーズに迅速に対応してきました。

本間:この1年、新型コロナウイルスの感染拡大により、企業のコミュニケーションの様式は大きく様変わりしました。広告主企業と広告代理店の向き合い方も変わっていくかもしれません。そうしたなか、jekiでは新しいプロジェクトをスタートさせたそうですね。

脇谷:5月19日にWebサイト「ジェイアール東日本企画オンライン相談室 キクコト」をオープンし、「総合広告会社のサービスをオンラインで提供する」新しいスタイルのサービスを開始しました。具体的には、企業の広告課題・マーケティング課題をオンライン相談で解決するサービスで、相談から提案まで無料にて行っています。また、今後は、広告課題解決のお役立ち情報などもサイトで発信していく予定です。

本間:このような状況とはいえ、まだまだ対面でのコミュニケーションを求める広告主企業も多いのではと思いますが、ローンチの背景はどのようなものだったのでしょうか。

脇谷:大きく2つのきっかけがありました。
1つ目に、昨今のデジタル化の波によって情報や選択肢が溢れ、企業の抱えるマーケティング課題の最適解が見えにくくなったことです。一方、そういった企業の多くが、その課題を相談できる適切な相談相手がいないと感じているという現状が、ヒアリングなどから見えてきました。
2つ目に、コロナ禍において対面でのコミュニケーションの機会が減り、広告会社として従来のスタイル(対面形式)で顧客課題に寄り添うのが難しくなってきたという実情です。
その状況を「オンラインで、誰もが、気軽に広告の課題や悩みを相談・質問できる窓口」が解決できるのではと考えました。

本間:なるほど。実は、私たちはwithコロナ、afterコロナと、口では言っても、頭のどこかで、コロナ前の状況に戻るのではと期待していますよね。しかし、いま大事なのは、コロナ収束後に訪れるニューノーマルの世界をしっかりイメージすることだと思うのです。例えば居酒屋では、今後も手指消毒のアルコールは置かれ続けるでしょう。テーマパークでは、入場ゲートの体温測定器が残るでしょう。つまり、コロナで私たちは、前に進むのですよね。振り返るのではなく、これからの広告、マーケティングを考えることがとても重要なテーマになるのでしょうね。そして、広告代理店の営業も、「一方的な営業から、相談相手」「対面営業に加えて、オンラインでの打ち合わせの組み合わせ」という変化が起きているのですね。

脇谷:「コロナだからオンラインで」という考えに執着するのではなく、本間さんがおっしゃったように、afterコロナの世界においても、広告主と私たち両者にとって最も効率的なコミュニケーションの方法を取ることが重要ですよね。

距離の壁を越えて地方企業の首都圏プロモーションをサポート

本間:今回、Webサイトから、問い合わせを行えるようですが、どのような企業から相談があると想定しているのでしょうか。

脇谷:オンラインで距離的ハードルを解消できるという点でいえば、地方に拠点がある全国の企業のサポートができると考えています。これまで、限られたエリアでの取引に留まり、新たなソリューションの提供や提案を受けることが難しかった広告主企業と、密にコミュニケーションが取れるようになると期待しています。地方企業の首都圏でのPR・プロモーションのサポートは当社の得意分野ですので。
また、現在お付き合いしている広告代理店からの提案に満足できず、新たなアイデアを求めている企業からのご相談にも対応できると思います。
例えば当社が得意とする映画、アニメなどのコンテンツを活用したタイアッププロモーションは、潤沢な予算があるわけではない企業さまにとっても低予算で有効な販促キャンペーンが行えるなどのメリットがあります。
電車広告・駅広告・屋外広告などにこれからチャレンジしてみようと思っている企業にも、最適な提案ができると思います。交通広告のリーディングカンパニーとして、そういう方々の第一歩をサポートすることも「キクコト」の役割の一つだと考えています。

本間:もちろん、これまでjekiと取引のない企業もサイト経由で問い合わせしていただいてよいのですよね。

脇谷:もちろんです! むしろそういった企業の課題解決に向き合うために始めるサービスだと思ってください。これまで当社との接点のなかった企業にとっては、「こんなことまで聞いてよいのかな」とか「自社の課題が何なのかまだ整理できていない」と二の足を踏まれるかもしれませんが、その段階で遠慮なくご連絡いただければと思っています。私たちは「専属」でこのサイトの裏側に常にいますので、うまいこと私たちを活用していただければ本望です。
「キクコト」という名前には「お客さまのお悩みを丁寧に『聞くこと』で、最適の『効くこと』をご提案し、解決に伴走する」という想いを込めていますので、まずは私たちにお悩みを聞かせていただきたいです。

本間:提案までなら無料ということですが。

脇谷:はい。こういう無料サービスって一度連絡するとその後しつこく売り込みがくるんだよなと懸念される方もいるかもしれませんが、その心配は無用です。発注ありきのサービスではないので、情報収集の場・お試しの場として使っていただいて構いません。
その先で、私たちに価値を感じてくださった企業さまとは長期的なパートナーになれると信じています。

本間:今日は、脇谷さんに「総合広告会社の営業サービスをオンラインで提供する」サービス、「ジェイアール東日本企画オンライン相談室 キクコト」について教えていただきました。ありがとうございました。
第4次産業革命を迎え、日本のマーケティングも大きく変わっています。その中で、広告代理店の仕事を進化させようとする、この新しい取り組み、期待しています。

脇谷 将史
jekiオンライン営業局編集部 編集長
2007年jeki入社。入社以来、営業部門にて商業施設系のクライアントや親会社であるJR東日本を担当。
2021年より現職で、新サービス「キクコト」の立ち上げに参加。

キクコト

jekiオンライン相談室「キクコト」の専属相談パートナーが、オンラインだからこそ提供できる新たな価値を語ります。