地方企業のマーケティング支援のために、東京の総合広告会社がオンラインで提供できる価値とは?

キクコト VOL.2

ビジネスにおいて訪問や対面によるコミュニケーションが重視されてきた日本でも、コロナの影響で対面や移動を避けることが求められ、リモートによるコミュニケーションが不可欠となってきています。こうした変化を受け、ジェイアール東日本企画(jeki)は2021年5月に新サービス「ジェイアール東日本企画オンライン相談室 キクコト」を開設し、顧客企業に対するリモートでの相談・提案を開始しました。その専属相談パートナーである渡部ひとみと、新潟支店で営業を担当する五十嵐稔が、地方企業のマーケティング支援の必要性、そしてオンラインだからこそ提供できる新たな価値などについて語り合いました。

広告は投資活動の一環ながら、担当者不在や属人化が課題

渡部:五十嵐さんは2012年から新潟支店で地方のお客様と接していると伺います。その体験を通じて、地方企業のマーケティングや広告に関する課題感をどのように感じられていますか。

五十嵐:まず、人口減少のために地方市場が小さくなっているので、首都圏や海外に向けて販路を拡大したいという企業が増えてきています。これはもう顕在化しており、課題として認識されています。

しかし、そうしたニーズがあっても、広告に対しての理解・認知は十分とは言えず、広告専任者がいないことがほとんどです。人口減少は人材不足でもあり、キーパーソンに人事や総務、営業などの業務が集中し、とにかく多忙でいらっしゃる。また、商品の製造や人の雇用などと同様に、広告も投資活動の一環としてみなされ、現在の厳しい経済環境もあって後回しにされがちな傾向があります。

渡部:やはりそうなのですね。私自身も営業をやっていた時には、「人的リソースが限られた中で、広告・宣伝業務までなかなか手が回らなくて困っている」というご相談をたびたびいただいていました。たとえば、東北の製造業の方でSNSが販促に有効だと聞いて始めてみたけれど、忙しくて運用できない、任せられる人がいないとおっしゃられていましたね。

五十嵐:確かに、SNSは初期投資がほとんどいらないので既に始められている企業もいらっしゃるかと思います。同様にWeb広告もリスクが小さく成果報酬型ということから手が出しやすいようです。マス広告を実施したことはないけれど、SNSやWeb広告は行っているという企業は多く、たとえば工業系の会社では社内のデザイナーがバナーを作成するなど、運営やクリエイティブまで内製化しているところもあります。ただ、実際の運用担当も他の業務との兼任であることが多く、KPIの設定もされないまま、「効果が出ない」「続かない」と悩まれていることが多いように感じます。

渡部:ご興味はあるけれど、結局は属人化しているということなのでしょうか。

五十嵐:そうですね。事業をよく知る方が兼務で担当したけれど新しい知識が不足している、SNSに詳しい若い方が任されたけれど事業活動に役立てられない、というように、任されている方によってお困りごとはさまざまです。メディアごとに別々の人が担当し、全体的な戦略が機能していないというケースもあります。

オンラインならではのメリットを「信頼」につなげる

渡部:様々な課題をお持ちの方に、「キクコト」はオンラインで無料相談や解決策のご提案などを行いたいと考えています。五十嵐さんが接していらっしゃるお客様にはご利用いただけそうでしょうか。

五十嵐:正直にいえば、新潟のお客様には直接お会いすることがほとんどで、現状ではまだオンラインでの相談や提案に難しさを感じています。もちろん、コロナ禍のもと、顧客企業でも社内のコミュニケーションはオンライン化が進んでいるのですが、外の事業者との場合は「対面」に価値を見出される傾向にあります。「わざわざ来てくれた」というのが、信頼醸成につながり、それなら「話を聞いてみよう」「相談してみよう」という流れになることが多いです。

渡部:「わざわざ来てくれた」という”価値”に変わるものを提供する必要があるというわけですね。

五十嵐:私も、たとえば東京から九州まで往復6時間かけて行き、2時間お話して帰るというのが、必ずしもベストだとは思っていません。行くより迅速にオンラインで対応する、移動にかける時間で詳細なレポートを作成するなど、足を運ばない代わりに提供できる価値は多いはずなんです。

渡部:私もそれはすごく強く感じます。広告会社は決まった商品、決まった解決方法があるわけでないので、お客様のお話をうかがって、その中から課題を見つけ、整理し、解決策としてご提案するというステップを大切にしています。しかし、対面でのコミュニケーションに縛られていると、どうしても物理的・時間的な制約の都合上、私たちがお話をお伺いできるお客様の数が限定的になってしまいます。オンラインを活用することで、お話をお伺いする機会を拡大することができ、内容面においても「濃密にサポートする」というサービスを提供できるのではないかと思っています。

移動時間が不要になる分、コストの圧縮を行いながら、リサーチレポートやプランのブラッシュアップを行い、的確な提案ができれば、「オンラインならではのメリット」が信頼の醸成に繋がっていくと思います。

五十嵐:「ここまでやってくれたの?」と思っていただけるようになれば、オンラインでも信頼を獲得できると思います。

渡部:五十嵐さんが以前、「新潟は広いから移動に時間がかかる。もっとお会いしたいお客様がいるのに」とおっしゃられていたのを思い出し、もっと効率的にお客様のお話を聞く機会を増やす方法がないものかと思っていました。その意味でも、「キクコト」の開設は、広告会社としてオンラインの活用価値を考える良い機会になったのではないかと考えています。

五十嵐:まだ世の中としても確立していない分、先んじて取り組むことは大きな意味があると思います。「できそう」と思ってからではもう遅いですからね。

渡部:はい、期待に応えられるよう、試行錯誤しながら「キクコト」の提供価値を高めていきたいと思います。

小さな相談から販路拡大支援まで、伴走する事業パートナーに

五十嵐:今後の可能性として、「キクコト」ではどのようなことができると思われますか。

渡部:まずは広告やマーケティングの相談を気軽にしていただける窓口になりたいですね。広告は”高額な投資”と思われがちですが、活用によっては少ない予算でも売上向上に寄与できるような施策もあると考えています。広告といえば、打ち上げ花火的な施策を想起されがちですが、そうではなく、細かなところまで一緒に考えて伴走するパートナーのような存在になりたいですね。

五十嵐:それは地方企業の経営層や売上責任者などにとっても、とても頼もしく聞こえると思います。そして、もしかすると、私たちも「リスクをとって一緒にやる」ということに腹をくくる必要があるかもしれませんね。広告というソリューションを提供するだけではなく、リスクも負いながらマーケティングの戦略立案から実行までを共に行う。まさに事業パートナー的なイメージですね。

渡部:おっしゃる通り、地方企業の経営層や売上責任者の方にとっての頼もしいパートナーになるためには、事業パートナーとしての存在になることができるか否かが大切だと思っています。その意味では、ジェイアール東日本企画(jeki)はJR東日本グループであることから、流通をはじめとした多くのグループ会社との接点を持っている点が武器になるのではないかと考えています。それらのリソースを活用して売り場や販売チャネルの拡大や刷新にまで踏み込むことができれば、まさに“事業パートナー”のような役割になることもできるのではないかと思っています。もちろん、広告全般に関しての知見やデジタルの知見もある。私たちのこうした知見をフルに活用しながら、マーケティングの戦略立案から実行まで伴走していくことができれば頼もしい存在になれるのではないかと思っています。

五十嵐:売り場や販売チャネルが増えるということには興味を持っていただけるでしょうし、それに付帯した形でのプロモーション設計を提案するという形になれば魅力的ですね。たとえば、JR東日本グループが運営するショッピングモール「JRE MALL」などと連携することも考えられそうですね。

渡部:そうですね、JRのグループ会社というシナジーを活かした取り組みも含めて、私たちが地方企業のマーケティング活動を支援する上でどんな価値をご提供できるのかという点については、オンライン相談サービスを立ち上げた後も、利用するお客様のニーズを踏まえながら常に考えていくべきだと思っています。ちょっと大きな話になってきましたが、まずは「販路拡大のために、首都圏でブランドの認知度を上げたいと考えているけど、どうしたら良いのだろう?」「Webマーケティングに取り組んでみたいけど、どこから始めたら良いのだろう?」というような、地方企業のみなさまが抱えられている大小さまざまなお悩みを気軽に相談していただける存在になれれば嬉しいです。

五十嵐:ぜひ、連携して地方企業を元気にしていきたいですね。ありがとうございました。

<了>

五十嵐 稔
jeki新潟支店営業第二部長 兼 jeki-X
2003年jeki入社。本社でメディア、マーケティング、新規事業開発等の業務を経験後、2012年より新潟支店に勤務。
地域の課題と向き合いながら、デジタル領域などを中心に地方発の新たな取り組みに日々挑戦中。

渡部 ひとみ
jekiオンライン営業局編集部
2017年jeki入社。
入社以来、営業部門にて商業施設系のクライアント等を担当。
2021年より現職で、新サービス「キクコト」の立ち上げに参加。

キクコト

jekiオンライン相談室「キクコト」の専属相談パートナーが、オンラインだからこそ提供できる新たな価値を語ります。