“頑張り過ぎない”に共感。朝食に対するママたちの思い

イマファミ通信 VOL.14

こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
当プロジェクトでは、オレンジページ「次のくらしデザイン部」と、『イマドキ家族の食事に関する共同研究』を実施しました。前回まで2回にわたってイマドキ家族の夕食について紹介してきましたが、今回は朝食にフォーカスしたリポートをお届けします。この調査はWEB上の調査用コミュニティにおいて朝食と夕食の写真日記を9日間つけてもらう方法で実施し、日記の内容のほか、投げかけたお題への回答や、ママ同士でのコミュニケーションの内容からも結果をひもといています。 共同研究の概要についてはVOL.11の記事に詳しく掲載しているので、そちらもぜひお読みください。

1日を気持ちよくスタートしたい!時短&子供が進んで食べることを重視

平日の朝。出勤や子供の送迎の準備などで共働きママだけが忙しいイメージがあるかもしれません。ですが、子供の幼稚園への登園時間が決まっていたり、子供とパパのお弁当作りを平行してやったりと、実は専業主婦ママだって忙しいのが実情。朝食の支度に時短を求める意識は、共働きママも専業主婦ママも同じなのです。

共働きママ・専業主婦ママに共通する朝の悩みは、時間がない上に子供がスムーズに食べてくれないこと。そのため、多くのママたちは「栄養がバランスよくとれること」を前提として意識しながらも、「毎日違うメニューを出す」「一汁三菜を必ず用意する」といったことよりも、「時短」「子供が進んで食べてくれること」を最重視しています。

多少の栄養の偏りには目をつぶる、ワンパターンメニューでも良しとするというスタンスの背景には、時短意識だけでなく、「1日を気持ちよくスタートしたい」「朝からイライラして疲れたくない」という意識があるようです。日記調査でのお題の1つ、「我が家の朝食にタイトルをつけるとしたら?」の回答(図A)からも、「1日の始まりを気持ちよくスタートしたい、そのために食事の支度は時短・子供が良く食べることを重視」というママたちの本音を垣間見ることができました。

“あきらめ”“罪悪感”ではなく、ママたちのポジティブな割り切り意識が浮き彫りに

前述した「我が家の朝食にタイトルをつけるとしたら?」というお題の回答からも窺えるように、支度のために必要以上に労力をかけない朝食の現状については「手抜きの罪悪感」よりも、子供の朝食を用意しながらも1日を気持ちよくスタートさせるための「前向きな割り切り」を感じることができます。

また、共働きママの「私がレタスを洗っていると、焼き物担当の夫が卵を焼き始めました」「子供と私は自分の支度をして、夫が料理しました」といった回答からは「平日の朝食作りへの夫の関与」が見られ、共働きママの「朝食作りは私の役目」という意識は専業主婦ママほど高くはないと思われます。

一方で、専業主婦ママを見ると、「我が家の朝食にタイトルをつけるとしたら?」というお題に対し、「チンするだけでごめんなさい朝食」「お弁当とかぶってごめんなさい」など、「ごめんなさい」というワードが出てきた点が特徴的で、「もっとできるはずなのにできていない自分」に引け目を感じている人もいるようです。

そうはいっても、専業主婦ママの中にも「朝はこれで十分」という割り切り派がいるのも事実。また、平日のパパ参加率は低かったものの、休日は「娘の身支度や家の外の掃除は夫が、食事の準備は私がという形で分担してやりました」「私が体調が悪くて遅く起きたら、子供の朝食は夫が用意してくれました。パン・バナナ・紙パックのジュースとシンプル!」といったように、ちゃんとパパが登場していますし、専業主婦ママコミュニティでのやり取りが行われていく中で、「気負いすぎず、食事の時間を楽しいものにしていこう」というコメントも複数見受けられました。

今回の調査で、共働き・専業主婦を問わず、ママたちは「頑張りすぎず楽しむ」ことに共感していることがわかりました。今、頑張りすぎて疲れているママは、もっと堂々と「ラクして楽しむ」ことに目を向けてもいいのかもしれません。
朝食の工夫の具体的な内容については、次回以降のイマファミ通信でご紹介していきます。

調査概要

2018年度『イマドキ家族の食事に関する共同研究


朝食・夕食の9日間の写真日記調査

調査地域:
一都三県
調査方法:
MROC(オンライン日記調査)
調査対象:
長子が3歳~小学校4年生の、25~49歳女性 25ss
(共働き・専業主婦と子供の年齢で割付)
調査期間:
2018年9月1日(土)~14日(金)
※日記調査は9月1日(土)~9日(日)

上記ライター高野 裕美
(イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

子育て家族に関する研究・情報発信、広告・コミュニケーションプランニング、商品開発、メディア開発等

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    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

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    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

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    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。