未来の移動とそこにあるべきマーケティングコミュニケーションを構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、全国男女18~79歳のお出かけ意欲を毎月の定点調査で聴取し、Move Mind Index(以下MMI)としてスコア化しています。
これまで月次でレポートしてきたMMIと週末外出率に加えて、2024年4月実施の調査から、お出かけに対する好意度、週末の満足度も聴取していくことになりました。※MMIや週末外出率の回答に影響のないかたちで質問を追加。
2024年4月調査の結果をもとに、お出かけに対する好意度、週末外出率、週末の満足度の関係性を紹介します。
お出かけは、いずれの性年代においても「好き」な人がマジョリティ
お出かけに対する好意度を、「とても好き」、「やや好き」、「どちらともいえない」、「あまり好きではない」、「まったく好きではない」の5段階で聴取したところ、「とても好き」と回答したのは全体の22.5%、「やや好き」が34.4%で、「とても好き」「やや好き」は合わせて56.9%となり、過半数を占める結果となりました。「どちらともいえない」26.8%も少なくないボリュームですが、「あまり好きではない」「まったく好きではない」は合わせて16.3%と少数派となっています。
また、いずれの性年代においても「とても好き」「やや好き」が合わせて5割を超えています。
ネットショッピングやテレワークの普及、コロナ禍を経ても、月次レポートの通り、MMIや週末外出率が一定水準を維持し続けているのは、外出をポジティブに捉えている人が大きくは減少していないことが一因だと考えられます。また、若年層においてもお出かけに対する好意度は低くないことから、今後、意識の面から一気に外出が減少する可能性も低そうです。
週末外出率は、お出かけ好きで約7割、
お出かけ嫌い(好きではない)で約3割
では、外出の捉え方と外出率の関係はどうなっているのか、お出かけに対する好意度別に週末外出率をみてみました。
予想通りの結果ではありますが、お出かけが好きな人ほど実際にお出かけしており、お出かけが「好き」(「とても好き」「やや好き」)な人では71.0%、「どちらともいえない」人では50.2%、「好きではない」(「あまり好きではない」「まったく好きではない」)人では28.1%という結果でした。
お出かけが「好きではない」人のうち約3割は、能動的か受動的か何らかの理由から、週末にあえて外出するという選択をしたようです。
お出かけに対する好意度と週末の外出有無の組み合わせによる分布ボリュームは、上記の表のようになっています。生活者全体のうち、お出かけが好きで週末外出した人が40.4%なのに対して、お出かけが好きではなく週末に外出しなかった人は11.7%にとどまります。
お出かけ嫌い(好きではない)にも、
外出が週末満足度にプラスの影響を与えている
お出かけが好きな人、好きではない人、それぞれの志向に合った週末の過ごし方ができたかどうかで、週末の満足度はどの程度変わるのでしょうか?お出かけが好きな人、好きではない人それぞれについて、週末の外出有無別に当該週末の満足度をみてみました。
お出かけが好きな人では、週末に外出している人の方が、週末の満足度が明らかに高くなっています。こちらは予想通りの結果でしたが、意外だったのは、お出かけが好きではない人の結果です。お出かけが好きではない人でも、週末に外出している人の方が、週末の満足度が高くなる傾向がみられます。
満足度は、同じ外出でも目的(動機、行き先、同行者など)に左右されると考えられることから、お出かけが好きではない人は、吟味したうえであえて外出するという選択をした結果なのかもしれません。とはいえ、お出かけに対する好意度に関わらず、外出が週末にプラスの影響を与えているとはいえそうです。
お出かけに対する好意度、週末の満足度は今後も継続的に把握していく予定ですので、変化の兆しがみられた際には、またレポートしたいと思います。
<調査概要>
- 調査手法 : インターネット調査
- 調査対象 : 全国18~79歳の男女 1,200人に実施
- 調査期間 : 2024年4月6日(土)~7日(日)
五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長
1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。