【Advertising Week Asia 2022登壇レポート】
リアル×メタバースが持つ壮大な可能性

jekiデジタル VOL.15

広告、アドテック、マーケティング、メディアなど、各国の広告業界を牽引する専門家が一堂に会し開催された世界最大級のイベント「Advertising Week Asia 2022」。5月31日のセッションには、「リアル×メタバースが持つ壮大な可能性」をテーマとして、VR領域の先駆者であるHIKKY 代表取締役 CEO 舟越 靖氏と、JR東日本 事業創造本部 グループ経営推進部門 次長 市原 康史氏、jeki エクスペリエンシャル・プロモーション局 部長代理 光富 憲太朗、jeki メディアマーケティングセンター センター長 直井 伸司が登壇。“Virtual AKIBA World”(バーチャルアキバワールド、以下VAW)をリードした4名の仕掛人が、リアル×メタバースの可能性を語りあった。

駅を「リアルとバーチャルをつなぐ空間」へ

今回のVAWの取り組みの背景には、JR東日本が掲げる「Beyond Stations構想」がある。市原氏は同構想について「これまで“通過する”場所だった駅を、地域と地域、現在と未来など、あらゆるヒト・コトを“つなぐ”場所へと変えていくものだ」と語った。今回のVAWは、「リアルとバーチャルをつなぐ」ことを具現化するものに位置づけられるということだ。

この「リアルとバーチャルをつなぐ」という点において特徴的なのが、JR秋葉原駅のコンコースに設置されたモニュメントだ。モニュメントの一部がQRコードになっており、スマホのカメラで読み取るだけで、誰もがシームレスにVAWに参加できるようになっている。

JR秋葉原駅に設置されたモニュメント。キューブ上のオブジェがORコードになっている

このモニュメントは、SNSを中心に話題となったが、舟越氏は「普段、メタバースに興味のないような人まで『これ何?』と写真付きで呟いているのを見て、リアルとの接点があることの強みを強く感じた」と振り振り返った。

「購買体験」はリアルとバーチャルの典型的な融合事例である

また、リアルとメタバースとの融合としてVAWで取り組もうとしているのが「購買体験」だ。BEAMS、アトレやJRAとコラボレーションしたコンテンツをリアル・バーチャル双方で展開。将来的にはVAWの中での買い物体験をも視野に入れている。
光富はこれを、「ニューエクスペリエンス エブリプレイス」と表現し、オフラインからオンライン、またオフラインに戻る新しい体験につながる可能性があると力説。「これまでのようなコアユーザー向けの専門的、先鋭的なサービスではなく、一般の人が気軽に参加、体験できる世界を実現していきたい」と抱負を語った。

オープンなメタバースから様々なイノベーションを起こしていきたい

セッションの締めに市原氏は「リアルとメタバース空間をいかにシームレスに連携させるかが大事だ」と述べた。「買物が簡単にできるといったことに加え、バーチャル上でのキャラクター同士のコミュニケーションが簡単になれば、メタバースが多くの人にとって当たり前のものになり、今とは全く違う世界が実現できるのではないか」とした。

続いて光富は「メタバースの可能性は2つある」とした。1つめは「海外ではP2E(Play to Earn:遊んで稼ぐ)が、すでに実践され始めているが、メタバース上の様々な活動に応じて報酬が発生する仕組みを提供する」というものだ。
そして、2つめは「VRやARのデバイスが小型化し、今、電車の移動中にスマホを見るという当たり前の行動が、装着したレンズから情報を見るというように変化していく可能性がある」というものだ。情報消費の方法が変わったときに、リアルとバーチャルの行き来をビジネスからどのように橋渡しをするか、その役割を果たしていきたいと語った。

舟越氏は、これまでのユーザーを囲い込む「プラットフォーム」型の事業モデルではなく、誰もが自分の空間を持てる「一人1バース」の世界を目ざしていると述べた。その世界を実現すべく、「オープンメタバース構想」を掲げ、プラットフォームがユーザーやクリエイターを囲い込むのではなく、オープンでフェアな世界を志向していくという。これにより、誰でもホームページを持つように、メタバースを持つ時代が到来し、そこから様々なイノベーションを起こしていきたいと抱負を述べた。

最後に直井は、リアルとバーチャルをつなぐ「実験場」として、このVAWから社会価値の提供をお手伝いしていきたいとして、30分にわたったセッションを締めくくった。

上記ライター直井 伸司
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jekiデジタル VOL.14

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  • 直井 伸司
    直井 伸司 jekiメディアマーケティングセンター センター長 兼 株式会社Data Chemistry 取締役

    1992年jeki入社 。約17年間、人事部門にて、採用、教育、評価、制度など人事全般を担当。 その後、JR局にて、「JR SKISKI」や「大人の休日俱楽部」のキャンペーンなどJR東日本関連の案件を担当した後、 第一営業局にて、JR東日本グループの商業施設の担当などを経て、 2019年7月、メディアマーケティングセンターのセンター長となり、現在に至る。 なお、現在は、㈱Data Chemistry、㈱JICの取締役を務める。