“理想の朝食像”に近づけるためのママたちの解決策とは?

イマファミ通信 VOL.17

こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
Vol.14から朝食についてのレポートとして、一日を気持ちよくスタートさせたいというママたちの思いや、実際の朝食準備の時短作戦についてご紹介してきました。
今回は朝食編の最後として、ママたちの「理想の朝食」と、他の家庭の朝食を参考に「取り入れてみたいと思ったこと」をご紹介したいと思います。

理想は同じでも、共働きママと専業主婦ママでは背景や解決策が違う

理想の朝食について聞かれると、共働きママ・専業主婦ママともに『旅館の和定食』を挙げる人が多くみられました。和定食の内容はご飯と味噌汁、メインの魚に、小鉢で副菜が数種。また「朝はもっとフルーツを出してあげたい」という声もありました。

理想は共通している共働きママと専業主婦ママですが、コメントを紐解いていくと、その背景には違いがあることがわかります。

共働きママは「朝の風景が理想とは違う。理想の風景はゆったりと朝食をとること」「果物やヨーグルトを食べる時間があれば最高」というコメントから読み取れるように、食事の内容を理想に近づけたいというより「朝食をゆっくり食べる時間がほしい」という思いが背景に見受けられます。そのため、理想の朝食に近づけるために今以上に手間が増えるような解決策を挙げるママは一部に限られ、「野菜を冷凍するので、仕切りつきの保存袋がほしい」「お弁当用ではなく家族のおかずになる、小鉢サイズの冷凍食品がほしい」「小分けで色々な食材がセットになっているものがほしい」など、解決策として具体的な外部商品にニーズがあることがわかりました。

一方、専業主婦ママが『旅館の和定食』を理想とする背景には、「メニューの幅を広げたい」「充実したおかずを用意したい」など、「食事の中身をより充実させたい」という思いがあるようです。理想の朝食に近づけるための解決策としては「自分が早起きすればいいだけかな?」「夜更かししなければ、朝は起きられるかも」「作り置きを多く作る」など、「自分で解決する」コメントが多く見られました。

毎日こなせる現実的な具体策を取り入れたい共働きママたち

そんなママたちに、「他の人の朝食を見て、取り入れたいと思ったメニュー」を聞いてみました。

共働きママから挙がったのは「スムージー、野菜ジュース、コーンフレークなどの体に優しい朝食」「子供は肉まんが大好きなので、時間がない朝にぴったり」「子供の食が進みそうな、くるくるサンドイッチやおにぎり」「簡単で栄養バランスが良さそうな、グラノーラ&コーンフレーク+ヨーグルト」など。いずれも「時短&子供がスムーズに食べる&栄養が摂れる」という課題を解決してくれて、なおかつ実際に取り入れることが難しくない具体的な案です。実際、調査期間中に真似するママも見られました。

専業主婦ママの場合は「常備菜」を作っているママへの支持が集まりました。「朝食にあと一品ほしい、なんて時に常備菜があると便利」「土日にまとめて作っておけば、楽になりそう」「1種類からはじめてみようかな」という意見が出てはいたものの、期間中に実際に取り入れているママはいなかったようです。

また、「自分も盛り付けを工夫して、見た目がかわいい食事にしたい」「私も食器を工夫して雰囲気を変えてみようかな」「野菜をきちんと使ったバランスの良い朝食が多く参考になった」など、常備菜と同様に「自分が頑張って解決する」ことを挙げる人が多く、主婦業の達成感やスキルアップを目指す意見が多かったのも特徴です。

以上の結果から見えてきたのは、ママたちにとって「理想の朝食」=「自分が取り入れたいこと」とは限らないということ。特に共働きママでは、目の前の課題を解決してくれる、できるだけ具体的な手法を積極的に取り入れたいと考えているようです。

今回の朝食調査は、共働きママも専業主婦ママも、朝は時間がなく忙しい中で、色々悩み、苦労し、家族の朝食作りに取り組んでいる様子がひしひしと伝わってくる9日間でした。また、共働きの世帯では「ママがサラダ担当、パパが焼き物担当」といった作業分担をする様子、専業主婦の世帯では「子供と一緒に作る」という様子を垣間見ることもできました。パパや子供が積極的に関与できるような朝食のパターンを作ったり、できるところは簡素化するなどしてママの負担を少しでも減らすことができれば、家族全員、一日の始まりを気持ちよくスタートできるのではないでしょうか。

今回の調査結果は、オレンジページ「次のくらしデザイン部」との、『イマドキ家族の食事に関する共同研究』からリポートしました。共同研究の概要についてはVOL.11の記事に詳しく掲載しているので、そちらもぜひお読みください。

調査概要

2018年度 『イマドキ家族の食事に関する共同研究』

朝食・夕食の9日間の写真日記調査

調査地域:
一都三県
調査方法:
MROC(オンライン日記調査)
調査対象:
長子が3歳~小学校4年生の、25~49歳女性 25ss
(共働き・専業主婦と子供の年齢で割付)
調査期間:
2018年9月1日(土)~9月14日(金)
※日記調査は9月1日(土)~9日(日)

上記ライター澤 裕貴子
(シニア ストラテジック プランナー)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

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  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

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    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

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    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。