共働きパパとママの意識ギャップ。ママの自己評価は低すぎる?

イマファミ通信 VOL.8

共働きパパとママの意識ギャップ。ママの自己評価は低すぎる?
こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
VOL.6VOL.7と2回続けてパパの家事・育児参加をテーマにお伝えしてきましたが、今回はそこから一歩踏み込んで、パパとママの家事・育児の意識のギャップについて考えてみました。チームの活動とプロジェクトの目的についてはVOL.1の記事に詳しく掲載しているので、そちらもぜひお読みください。

家事・育児達成度に対するパパとママの自己評価

VOL.6のレポートで、共働きパパの家事・育児への関与が高めであることがわかりました。しかし、世間では「共働きでも結局ママに負担が偏りがち」という声が聞かれますし、一般的には家事・育児を平等にシェアするまでには至っていないといわれています。では、実際にパパたちはどのように思っているのでしょうか。

調査では、共働きパパ・ママの自分自身の家事・育児達成度を評価してもらいました。そこで得られたのが「図A:共働きママと共働きパパの自分自身の家事・育児達成度評価」の結果です。 共働きパパの家事達成度、育児達成度についての自己評価は、いずれも10点満点で6点程度。これに対して共働きママの自己評価はいずれも7点前後と、パパの自己評価の方が低い結果となり、家事・育児参加の実態と同じ傾向の認識を持っていることがわかりました。

図A:共働きママと共働きパパの自分自身の家事・育児達成度評価

共働きパパが思うママの家事・育児達成度は?

本調査では、共働きパパが自身の妻に対して思う家事・育児達成度も評価してもらいました。「図B:共働きパパの妻に対する家事・育児達成度評価」を見てみましょう。パパがママに感じている家事達成度は7.83点、育児達成度は7.87点と、いずれも、パパ自身の達成度 (図A)より高いポイントとなっています。共働きパパは自分自身よりも妻の方が家事・育児をこなしていると評価しているのです。そして、ママの家事・育児達成度についても、ママ自身が感じている達成度(図A)よりも、パパがママに対して感じている達成度の方が高い結果となりました。パパはママ自身が思っている以上に「ママはよくやってくれている」と思っているということです。

図B:共働きパパの妻に対する家事・育児達成度評価

共働きパパの家事・育児関与は高めなのにもかかわらず、世間のパパに対する評価は辛口のものが多いように感じます。また、夫婦間の意識のギャップからケンカになってしまう、という話もしばしば聞かれます。しかしながら、今回の結果から見えてきたのは、もしかすると共働きママは家事や育児に対して、自分を過小評価しすぎている側面もあるということです。
「ママはよくやってくれている」と思っているパパが、その気持ちを直接ママに伝える。ママ自身も、「自分は十分やれている」と、自身の家事・育児をもっと評価する。そんな、ちょっとしたことで夫婦間の意識のギャップが埋まり、家事・育児ストレスも軽くなっていくのかもしれません。

■調査概要
「2016年度 共働き家族の実態調査」
・調査地域:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
    (東京駅を中心とする40km圏)
・調査方法:インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
・調査対象:末子年齢が0〜9歳の、25〜49歳の既婚男女1710ss
     夫婦同居であること。親同居者は除外。
    (女性側の勤務形態と子供の年齢で割付)
・調査期間:2017年2月10日(金)〜19日(日)
※夫婦間の調査ではありません

上記ライター土屋 映子
(シニア ストラテジック プランナー)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

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  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

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    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2001年jeki入社。営業職として、主に商業施設の広告宣伝の企画立案・制作進行、雑誌社とのタイアップ企画などに従事。2011年より現職。現在は営業職で培った経験をベースに、プランナーとして商業施設の顧客データ分析や戦略立案などのプランニング業務に取り組んでいる。

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    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

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    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。