
未来の移動とそこにあるべきマーケティングコミュニケーションを構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、全国男女18~79歳のお出かけ意欲を毎月の定点調査で聴取し、Move Mind Index(以下MMI)としてスコア化しています。
MMIの詳細についてはこちら
お出かけ意欲は昨年同月比117%も、コロナ以前には届かず
1月のお出かけ意欲(MMI)は10点満点中5.30点。
5点台を大幅に割り込んだ昨年1月との比較では117%をマークしたものの、コロナ以前(2020年1月)の数値には届きませんでした。
例年1月調査ではMMIの指数が前月よりも低下する傾向にありますが、コロナ以前よりも前月からの下げ幅が大きくなっている背景には、新たな変異株である「オミクロン株」が年末年始の日本列島を騒がせた影響があるとみています。
実際にお出かけ意欲の低い回答者の理由をみると、「新型コロナが再拡大しているから」「オミクロン株がこわい」といった声が挙がっていました。一方で、お出かけ意欲が高い人では「初詣や初売りにいきたい」「年始に親戚宅にいくため」など、この時季ならではのお出かけ理由もみられ、自粛か、外出か、判断に悩まされた年初めとなったようです。

次のグラフは、性年代別にお出かけ意欲をみたものです。
男性計5.19点、女性計5.41点となっています。ここで着目したいのは、男性の年代ごとのお出かけ意欲の変化です。コロナ以前の同月と比較して女性は全年代においてMMIが低い水準ですが、男性は18~29歳、30代、50代でコロナ以前を上回る数値となりました
そこで、お出かけ意欲がコロナ以前を上回った男性18~29歳、30代、50代の理由をみてみると、いずれの年代も共通して「少し散歩程度にはうろついてみたい」「スキー/スノボがしたい」「運動不足」といった声がありました。長引くコロナ禍で、感染対策に気を遣いながらもアクティブに体を動かしたい、と考える人も多くなってきたのではないでしょうか。

週末外出率は、コロナ以前比98%に到達
週末の外出率(2022年1月調査は1月1日(土)、1月2日(日)について聴取)は全体で58.9%と、コロナ以前の外出率に近似した結果となりました。聴取の対象となった日が元日を含む土日だったこともあり、帰省や初詣といった年始ならではのお出かけを楽しんだ人も多かったのではないでしょうか。
性年代別にみてみると、男性18~29歳、女性18~29歳、30代でコロナ以前に比べた外出率の割合が20%程度増加しており、それに続いて男性30代、女性40代もコロナ以前を上回る数値となりました。

新たな変異株の感染拡大による第六波の到来が懸念されるなかで、迎えた2022年。今月の調査では、お出かけ意欲の指数(MMI)が高い、低いにかかわらず、「今年こそは旅行がしたい」「今年は友人ともっと外食したい」といった、お出かけ機会の回復を期待する人々の声も聞こえてきました。
こうして日々変動し続ける世の中の移動に対するマインドを、本年も調査・研究を通して注視していきたいと思います。
<調査概要>
- 調査手法 : インターネット調査
- 調査対象 : 18~79歳の男女1,000人
※国勢調査の人口構成比に合わせて、性別×年代×エリアで割付 - 調査期間 : 2022年1月8日(土)~9日(日)
五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長
1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。