【移動に関する最新データ_2021年12月速報】
お出かけ意欲、初めてコロナ以前を上回る。「対面忘年会」予定者倍増など、高まる年末の移動意欲。

Move Design Lab VOL.67

未来の移動とそこにあるべきマーケティングコミュニケーションを構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、全国男女18~79歳のお出かけ意欲を毎月の定点調査で聴取し、Move Mind Index(以下MMI)としてスコア化しています。MMIの詳細についてはこちら

お出かけ意欲、初めてコロナ以前を超える高いスコアに。

12月のお出かけ意欲(MMI)は10点満点中5.81点。
コロナ以前(2019年)との同月比は100.7%となり、初めてコロナ以前を上回るスコアとなりました。
前月からの増減をみると、コロナ以前の2019年11月→12月の0.4ポイント減少と比べて、今年は0.32ポイント減少となっており、平時に近い変動であるとみています。

お出かけ意欲の高かった人の理由をみると「感染が落ち着いてきたから」「年末なので買い物やイベントに行きたい」といった声が多く、感染者数が低水準・ワクチン接種者の増加の他に、季節的な意欲を理由に挙げる人も多くみられました。

次のグラフは、性年代別にお出かけ意欲をみたものです。
男性計5.72点、女性計5.89点と、女性の方がお出かけ意欲が高いことがわかります。コロナ以前との同月比は、男性計105.1%、女性計96.7%と、男性のお出かけ意欲がコロナ以前よりも高まっていることがわかります。性年代別でみると、男性では全ての年代でコロナ以前のスコアを上回っているのに対し、女性では18~29歳と50代のみとなっており、男性のお出かけ意欲の高まりが牽引していることがわかります。

最もお出かけ意欲が高かったのは、女性18~29歳の6.22点でした。その理由をみてみると、「感染状況が落ち着いている今のうちに」「気分転換をしたい」などの声が多くありました。情勢を伺いつつ、自粛でたまったストレスや我慢を発散させたい、という方も多くなってきたのではないでしょうか。

週末の外出率は、昨年よりも低い水準に

週末の外出率[2021年12月調査は11月27日(土)と11月28日(日)が対象]は、全体で52.9%。前年同月比で0.9ポイント低下、コロナ以前同月比で5.5ポイント低下と、週末の外出が減少したことがわかります。
例年は11月調査から12月調査にかけて上昇傾向にありますが、今年は11月の外出率59.7%から6.8ポイント減少しています。
前回の外出率が非常に高かったことに加え、今回の調査対象であった11月27日・28日は、急な気温低下や感染症の変異株の報道があったタイミングでもあり、例年以上に外出率が低下したと推察されます。実際に、自由回答でも「寒い」「まだ感染は収まっていない」といった声があり、外出を控えた人は多かったのではないでしょうか。

性年代別で見ると、男性では50~60代を除く全ての年代で昨年以上の高い外出率であった一方、女性で昨年よりも外出率が高かったのは50代・70代のみでした。11月のお出かけ意欲が高かった女性ですが、週末の外出率は低く、意識と行動にはまだまだ乖離があるように思われます。

今年、対面の忘年会の予定がある人は1割未満に留まるも、 昨年比はほぼ全ての年代で上昇傾向に

平時であれば忘年会シーズンである12月ですが、今年は対面での忘年会の予定がある・もしくは既に行った方は、全体で7.9%でした。
最も高かったのは男性18~29歳で、15.4%となっていました。
昨年と比較すると全体で倍増しており、年代別でも男性70代と女性30代を除く全ての年代で上昇していました。自由回答で「感染状況が落ち着いている」との声が多いことからも、今年こそはと忘年会を検討する方も少しずつ増えてきたのではないでしょうか。

2021年のMMIは、新型コロナウイルス感染拡大状況に加えてワクチン接種状況の影響もあり、一部平時に近い動きもみられました。また、来年「お出かけが増えると思う」との回答が31.4%と、移動への期待が高まる一方で、「増えないと思う」は12.8%となっていました。残る「どちらとも言えない」は55.8%となっており、来年の移動がどうなるかは多くの生活者の中で不透明であることが伺えます。
まだまだコロナ以前と同じ年末とはいきませんが、今ならではの年末の過ごし方を見つけて、良い気持ちで来年を迎えたいものですね。
今後も引き続き、生活者の移動意欲の推移を見守っていきたいと思います。

<調査概要>

  • 調査手法 : インターネット
  • 調査調査対象 : 18~79歳の男女1,000人
           ※国勢調査の人口構成比に合わせて、性別×年代×エリアで割付
  • 調査期間 : 2021年12月4日(土)~5日(日)

上記ライターMove Design Labの記事

Move Design Lab

Move Design Labは生活者の「移動行動」を探求し、”新しい移動“を創発していくことをミッションに始動したプロジェクトチーム。その取り組みをシリーズで紹介していきます。

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  • 五明 泉
    五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長

    1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。

  • 中里 栄悠
    中里 栄悠 Move Design Lab プロジェクトリーダー/シニア ストラテジック プランナー/TRAIN TV ブランドマネージャー

    2004年jeki入社。営業局、駅消費研究センター、アカウントプロデュース局を経て、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。シニア・ストラテジック・プランナーとして、メーカー、サービス、小売など幅広い企業のコミュニケーション戦略立案に携わる。

  • 彦谷 牧子
    彦谷 牧子 Move Design Lab データアナリスト/ シニア ストラテジック プランナー

    リサーチ・コンサルティング会社を経て、2009年jeki入社。JR東日本保有データの分析・活用業務に従事した後、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。化粧品、トイレタリー、通信機器等幅広いクライアントのコミュニケーション戦略をはじめとしたプランニングを担当。

  • 市川 祥史
    市川 祥史 Move Design Lab リサーチプランナー/ データアナリスト

    市場調査会社にて、企業のマーケティング課題の解決に従事。2017年jeki入社。コミュニケーションプランニング局配属。交通広告・キャンペーンの効果測定を中心に、クライアントの課題発見・解決を支援する。

  • 鷹羽 優
    鷹羽 優 Move Design Lab ブランドコンサルタント

    ブランド戦略を専門とし、菓子・飲料・生活雑貨・人材など多くのブランド開発、リブランディングを手掛けた後、2018年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。ブランドマネジメントの観点からコミュニケーション立案を行う。

  • 松本 阿礼
    松本 阿礼 駅消費研究センター研究員/お茶の水女子大学 非常勤講師/Move Design Lab・未来の商業施設ラボメンバー

    2009年jeki入社。プランニング局で駅の商業開発調査、営業局で駅ビルのコミュニケーションプランニングなどに従事。2012年より駅消費研究センターに所属。現在は、駅利用者を中心とした行動実態、インサイトに関する調査研究や、駅商業のコンセプト提案に取り組んでいる。

  • 渡邉 裕哉
    渡邉 裕哉 Move Design Lab ストラテジック・プランナー

    2020年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。飲料、トイレタリー、ホテルなどのプランニングを担当する。

  • 明山 想
    明山 想 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。BtoB、トイレタリー、クレジットカード会社などのプランニングを担当。

  • 片山 晴貴
    片山 晴貴 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局配属。 家電、損害保険、不動産などのプランニングを担当する。