コロナの見通しから、お出かけ意欲は引き続き低下

Move Design Lab VOL.55

未来の移動とそこにあるべきコミュニケーションを構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、全国男女18~79歳のお出かけ意欲を毎月の定点調査で聴取し、Move Mind Index(以下MMI)としてスコア化しています。
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MMIは引き続き低下するも、前年比8割台は維持

2021年1月のお出かけ意欲(MMI)は、10点満点中4.53点。新型コロナウイルス感染拡大に伴う2回目の緊急事態宣言直後のタイミングでの調査で、1回目の緊急事態宣言が発令された4月時点に次いで、低い結果となりました。前年比は81%で、11月以降低下傾向が続いていますが、前年比が7割台まで落ち込んだ昨年の3月・4月までの低下は、みられませんでした。

お正月の土日の外出率は約4割

では、今回の緊急事態宣言直前の外出率はどうなっていたのでしょうか。1月2日の土曜日、3日の日曜日の、いずれかでの外出率を確認しました。
全体の外出率は42.9%で、約4割の人が、正月三が日の週末に外出をしていたようです。
属性別では、性別だけをみると大きな違いはありませんが、女性20代(外出率52.6%)、男性50代(同51.3%)、男性30代(同51.2%)、では、外出率が5割を超えて、全体よりも高くなっています。

前回の緊急事態宣言との比較での外出頻度は、意識としては「減る」人がやや優勢

今回の緊急事態宣言で、移動はどの程度影響を受けるのでしょうか。
調査では、首都圏居住者に対して、今回の緊急事態宣言下での、1回目の緊急事態宣言時と比較した、自身の移動頻度の変化の予想を聴取しました。
全体では、「増える」と回答した人が19.3%に対して、「減る」と回答した人が24.1%で、意識としては、やや前回の緊急事態宣言時よりも「減る」と考える人が多いようです。

ただし、通勤時の電車の混雑状況や週末の繁華街の人出などからも、実際には、1回目の緊急事態宣言時ほどの移動の抑制には至っていないのではないでしょうか。「不要不急」を自己判断していくなかで、意識や意向と実際の行動が、必ずしも一致しない状況にあることが予想されます。
コロナの影響を受けながら変動する移動に対するマインドに、引き続き注視していきたいと思います。

<調査概要>

  • 調査手法 : インターネット調査
  • 調査対象 : 18~79歳の男女1,000人
  • 調査期間 : 2021年1月9日~10日

上記ライターMove Design Labの記事

Move Design Lab

Move Design Labは生活者の「移動行動」を探求し、”新しい移動“を創発していくことをミッションに始動したプロジェクトチーム。その取り組みをシリーズで紹介していきます。

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  • 五明 泉
    五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長

    1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。

  • 中里 栄悠
    中里 栄悠 Move Design Lab プロジェクトリーダー/シニア ストラテジック プランナー/TRAIN TV ブランドマネージャー

    2004年jeki入社。営業局、駅消費研究センター、アカウントプロデュース局を経て、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。シニア・ストラテジック・プランナーとして、メーカー、サービス、小売など幅広い企業のコミュニケーション戦略立案に携わる。

  • 彦谷 牧子
    彦谷 牧子 Move Design Lab データアナリスト/ シニア ストラテジック プランナー

    リサーチ・コンサルティング会社を経て、2009年jeki入社。JR東日本保有データの分析・活用業務に従事した後、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。化粧品、トイレタリー、通信機器等幅広いクライアントのコミュニケーション戦略をはじめとしたプランニングを担当。

  • 市川 祥史
    市川 祥史 Move Design Lab リサーチプランナー/ データアナリスト

    市場調査会社にて、企業のマーケティング課題の解決に従事。2017年jeki入社。コミュニケーションプランニング局配属。交通広告・キャンペーンの効果測定を中心に、クライアントの課題発見・解決を支援する。

  • 鷹羽 優
    鷹羽 優 Move Design Lab ブランドコンサルタント

    ブランド戦略を専門とし、菓子・飲料・生活雑貨・人材など多くのブランド開発、リブランディングを手掛けた後、2018年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。ブランドマネジメントの観点からコミュニケーション立案を行う。

  • 松本 阿礼
    松本 阿礼 駅消費研究センター研究員/お茶の水女子大学 非常勤講師/Move Design Lab・未来の商業施設ラボメンバー

    2009年jeki入社。プランニング局で駅の商業開発調査、営業局で駅ビルのコミュニケーションプランニングなどに従事。2012年より駅消費研究センターに所属。現在は、駅利用者を中心とした行動実態、インサイトに関する調査研究や、駅商業のコンセプト提案に取り組んでいる。

  • 渡邉 裕哉
    渡邉 裕哉 Move Design Lab ストラテジック・プランナー

    2020年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。飲料、トイレタリー、ホテルなどのプランニングを担当する。

  • 明山 想
    明山 想 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。BtoB、トイレタリー、クレジットカード会社などのプランニングを担当。

  • 片山 晴貴
    片山 晴貴 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局配属。 家電、損害保険、不動産などのプランニングを担当する。