「お出かけ意欲」「外出率」から見るコロナ意識の変化

Move Design Lab VOL.54

未来の移動とそこにあるべきコミュニケーションを構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、全国男女18~79歳のお出かけ意欲を毎月の定点調査で聴取し、Move Mind Index(以下MMI)としてスコア化しています。
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MMIは下落も、第一波・第二波と比べ下落幅は鈍化

12月のお出かけ意欲(MMI)は、10点満点中5.09点。2019年12月比で88%でした。10月までの回復基調から一転しての2か月連続下落は、言うまでもなく11月より表面化したコロナ第三波の影響を受けた結果と考えられます。
ただし、コロナ第一波~第三波とその際のMMIのスコアを比較すると、第一波(4.42点/対前年73%)→第二波(4.73点/同86%)→第三波(5.09点/同88%)と、MMIの下落は徐々に鈍化していることがわかりました。これは昨今指摘される “コロナ慣れ”の影響が考えられます。

年代別でみると、若年層ほどコロナ前からの下落幅は小さく、高齢層ほど大きい結果でした。性別では男性(対前年93%)と比べ女性(同84%)が大きく下落。若年(18-29歳)男性はコロナ前よりもMMIは高い(同105%)という驚きの結果となっています。

週末外出率も“コロナ慣れ”か

この定点調査では、お出かけ意欲だけでなく、実際の外出率についても聴取しております。
12月の週末外出率は53.8%。コロナ禍以降、3番目に高いスコアでした。第一波(38.0%)→第二波(45.1%)→第三波(53.8%)という傾向は、上述したMMIの傾向に符合した結果と言えます。

週末外出率を性年代別でみると、対前年で100%を下回っていたのは男性で若年(18-29歳)、40代、60-70代、女性で若年(18-29歳)、50-70代でした。一方、男性の30代、50代、女性の30-40代は対前年で外出率が上がっており、性年代で傾向がかなり違うことが読み取れます。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、2020年のMMIは例年にない動きがみられました。
今後の動きは、誰も予想できない状況ではありますが、MDLでは引き続きお出かけ意欲をウォッチし続けてまいります。

<調査概要>

  • 調査手法 : インターネット調査
  • 調査対象 : 18~79歳の男女1,000人
  • 調査期間 : 2020年12月5日~6日

上記ライターMove Design Labの記事

Move Design Lab

Move Design Labは生活者の「移動行動」を探求し、”新しい移動“を創発していくことをミッションに始動したプロジェクトチーム。その取り組みをシリーズで紹介していきます。

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  • 五明 泉
    五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長

    1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。

  • 中里 栄悠
    中里 栄悠 Move Design Lab プロジェクトリーダー/シニア ストラテジック プランナー/TRAIN TV ブランドマネージャー

    2004年jeki入社。営業局、駅消費研究センター、アカウントプロデュース局を経て、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。シニア・ストラテジック・プランナーとして、メーカー、サービス、小売など幅広い企業のコミュニケーション戦略立案に携わる。

  • 彦谷 牧子
    彦谷 牧子 Move Design Lab データアナリスト/ シニア ストラテジック プランナー

    リサーチ・コンサルティング会社を経て、2009年jeki入社。JR東日本保有データの分析・活用業務に従事した後、2014年よりコミュニケーション・プランニング局に所属。化粧品、トイレタリー、通信機器等幅広いクライアントのコミュニケーション戦略をはじめとしたプランニングを担当。

  • 市川 祥史
    市川 祥史 Move Design Lab リサーチプランナー/ データアナリスト

    市場調査会社にて、企業のマーケティング課題の解決に従事。2017年jeki入社。コミュニケーションプランニング局配属。交通広告・キャンペーンの効果測定を中心に、クライアントの課題発見・解決を支援する。

  • 鷹羽 優
    鷹羽 優 Move Design Lab ブランドコンサルタント

    ブランド戦略を専門とし、菓子・飲料・生活雑貨・人材など多くのブランド開発、リブランディングを手掛けた後、2018年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。ブランドマネジメントの観点からコミュニケーション立案を行う。

  • 松本 阿礼
    松本 阿礼 駅消費研究センター研究員/お茶の水女子大学 非常勤講師/Move Design Lab・未来の商業施設ラボメンバー

    2009年jeki入社。プランニング局で駅の商業開発調査、営業局で駅ビルのコミュニケーションプランニングなどに従事。2012年より駅消費研究センターに所属。現在は、駅利用者を中心とした行動実態、インサイトに関する調査研究や、駅商業のコンセプト提案に取り組んでいる。

  • 渡邉 裕哉
    渡邉 裕哉 Move Design Lab ストラテジック・プランナー

    2020年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。飲料、トイレタリー、ホテルなどのプランニングを担当する。

  • 明山 想
    明山 想 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局に配属。BtoB、トイレタリー、クレジットカード会社などのプランニングを担当。

  • 片山 晴貴
    片山 晴貴 Move Design Lab コミュニケーションプランナー

    2021年jeki入社。コミュニケーション・プランニング局配属。 家電、損害保険、不動産などのプランニングを担当する。