
移動の未来について考えながら“新しい移動”を構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、18~79歳の男女1,000人に対し、「今月のお出かけ意欲」を得点化してもらう調査を毎月実施しています。
国内旅行の“意向”は前年を上回る
9月のお出かけ意欲(MMI)は10点満点中5.53点。前月と比べて0.8ポイント増加、前年比では0.42ポイント減少になりました。コロナ禍で大きく落ち込んだお出かけ意欲ですが、6月以降は前年比9割前後を示しており、復調の傾向がみられます。

特に8月から9月にかけて変化が見られたのが国内旅行意向。特にGo To トラベルキャンペーンの影響からか西日本エリアでは前年を上回る結果となりました。


ただしあくまで復調がみられたのは旅行“意向”。Googleトレンドで直近1年間の「旅行」の検索数を見てみると、5月初旬から徐々に検索数が増加しつつあるものの、7月の新型コロナの感染再拡大を境に横ばいが続いています。

提供:Google
調査では「外出を控えているが、元は外食や旅行が好きなのでだいぶ我慢している(お出かけ意欲:10点)」「もうそろそろ日帰り温泉くらいは開放したい(お出かけ意欲:10点)」という抑えきれない旅行衝動も聞こえましたが、この結果を見るかぎりまだ実際に旅行計画などの行動には至らず見定めている人が多いのでしょうか。旅行意欲はありつつも、コロナ情勢をふまえジレンマに陥っている様子がうかがえます。
過去2年間の調査結果では行楽シーズンである秋が1年間で最もお出かけ意欲が高まる時期です。しかし今年は未だ続くコロナと猛暑の二重苦。いつも通りの行楽シーズンとはいかないことが予想されます。しかしそんな状況下だからこそ「マイクロツーリズム」「応援旅行・消費」をはじめ新しい過ごし方、新しい移動が生まれていくことと思います。引き続きMDLではwithコロナ、afterコロナにおける移動行動の兆し、変化に注目していきたいと思います。
<調査概要>
- ※調査手法 : インターネット調査
- ※調査対象 : 18~79歳の男女1,000人
- ※調査期間 : 2020年9月5日~6日
五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長
1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。