移動の未来について考えながら“新しい移動”を構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、18~79歳の男女1,000人に対し、「今月のお出かけ意欲」を得点化してもらう調査を毎月実施しています。
猛暑で“冷え込む”お出かけ意欲
8月といえば夏休み。長期休みで旅行シーズンということもあり、調査実施前はお出かけ意欲指数の上昇を予想していたのですが、蓋を開けてみると結果は5.44。過去最低の結果となりました。「災害級」といわれる今年の猛暑。夏のレジャースポットの代表格である海水浴場では利用者数が例年を下回る場所も多いようです。レジャーの多様化・少子化といった要因ももちろん影響しているかと思いますが、想像以上にこの猛暑によるダメージが大きいようです。
とはいえ一年の中でもアクティブなイメージがある夏休みシーズンに、過去最低のお出かけ意欲とは……。皆さん、ちゃんと夏休み取っていますか?

日本は他国と比べて有給休暇の消化率が低く「休み下手」ともいわれています。今回MDLでは、休日・長期休暇についてどのように考えているかアンケートを実施しました。
休日迷子の若者たち

まず驚いたのが「休みを取ったはいいが、どうすればいいかわからない人」が結構いること。ビジネスパーソンの約3割(全体平均27%)が休日迷子という結果に。あくまでインターネットを介したアンケートのため、この結果が全てを表わしていると考えるのは強引ではありますが、1つの参考指標として高い結果だと感じました。特に29歳以下の若年層では半数近くが該当したのは驚きの結果です。
さて、休日迷子になりがちな若者たちですが、結果的に「理想の休日を過ごせているか」という点では男女で結果が分かれました。

要因の1つは行動力。「休みを取ったが何をすればいいかわからない」は男女共に同程度ですが、「予定がなければ当日決める」「休日の外出先は自分が決める」といった行動力は女性のほうが高いようです。主張をあまりせず、同行者の意見を尊重する――俗に言う男性の草食化は移動行動にも影響しているのでしょうか。
平成最後の夏もいよいよ最終局面。若者の駆け込みMOVEは起こるのか。MDLでは今後も平成世代を中心とした若者の移動行動に注目していきたいと思います。
※調査手法:インターネット調査
※調査対象:18~79歳の男女1,000人
※調査期間:2018年8月4日~5日
五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長
1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。