(全国調査レポート)首都圏と地方でどう違う? イマドキファミリーそれぞれの事情

イマファミ通信 VOL.24

こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
このプロジェクトでは、これまで首都圏40㎞圏の子育てママ・パパを対象にした研究を行ってきました。2019年度はエリア別の状況を確認するために、対象を全国に拡大して調査を実施。全国を9つの地方に分け(表1参照)、それぞれでサンプルを回収しました。

“親との近居率”が圧倒的に低い関東地方

首都圏と地方では親との同居率が異なります。今回は同居の親の手助け要素を排除するため、“親との同居なし”に条件をそろえて調査を実施していますが、共働きママ・専業主婦ママともに“親との近居”についても、エリアによって大きな違いがあることがわかりました(グラフ1参照)。
まず目につくのは関東地方のママたちの、親との近居率(30分未満の距離に住んでいる)の低さ。それとは対照的に東北地方の共働きママ・北陸地方の共働きママでは、近居率が50%を超える結果となっていました。また、関東地方・中国地方を除く多くのエリアで、専業主婦ママに比べて共働きママのほうが近居率が高いという特徴も見られました。

近居率が高くても“親からの手助け度”には地域差

次に、共働きママたちについての“親からの手助け度”と“時間的余裕”について見ていきましょう。

特に近居率が高かった東北地方と北陸地方の共働きママについて“親からの手助け度”を比較すると、北陸地方の共働きママでは「親・義親に家事や育児を手伝ってもらえる」という回答が突出して高い50.0%なのに対し、東北地方の共働きママでは32%とむしろ低めの結果でした。そのほかのエリアでは、近居率が低い関東地方で22%のほかは、どのエリアも30~40%台となっています(グラフ2参照)。

このデータに、「時間的余裕がない」と答えた人(「時間的余裕があるほうだ」に対し「あまりそう思わない」「そう思わない」と回答した割合合計)を並べてみましょう(グラフ3参照)。“親からの手助け度”が高いにもかかわらず、北陸地方の共働きママは「時間的余裕がない」が最も高く68%。時間的余裕がないからこそ、親からの手助けを必要としているということかもしれません。
一方で、近居率が高くても“親からの手助け度”が低い東北地方の共働きママでは、「時間的余裕がない」が54%とやや低めという結果に。この違いはどこからくるのでしょうか。こうした地域差について引き続き掘り下げて分析してみたいと思います。

調査概要
2019年度 共働きママ・パパ全国調査

  • 調査地域 : 全国
  • 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
  • 調査対象 : 長子が小学校3年生以下の25~49歳既婚男女
  • 回収数 : エリア×男女×働き方で割り付け
    計1736サンプル回収
  • 調査期間 : 2019年7月12日(金)~18日(木)

上記ライター高野 裕美
(イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

子育て家族に関する研究・情報発信、広告・コミュニケーションプランニング、商品開発、メディア開発等

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    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

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    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

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    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2004年jeki入社。営業職として、主に企業広告のマスメディアへの出稿などの業務に従事。2009年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、プランニング業務に取り組んでいる。

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    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。