
移動の未来について考えながら“新しい移動”を構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、18~79歳の男女1,000人に対し、「今月のお出かけ意欲」を得点化してもらう調査を毎月実施しています
国民一斉移動週間の反動
過去最大級のゴールデンウィークがあった2019年5月のお出かけ意欲指数は10点満点中5.70点。先月(2019年4月)から0.33ポイントの減少という結果になりました。ゴールデンウィーク後の調査ということもあり、理由を見ると「ゴールデンウィーク中に何度か出かけたので、必要な買い物には出かけたいが、レジャーや外食は節約のために控えたいから(40代女性)」と連休の反動による移動控えの声が多く挙がっていました。

祝日過多社会の祝日外出離れ
5月のMMI測定では「連休や祝日の外出」についての意見が多く集まりました。集まった意見を見ると、祝日であることは必ずしも外出意向にプラスに働いているとはいえないようです。祝日だからこそ外出を避ける「祝日の外出離れ」が散見されました。
祝日は皆がよーいドンで一斉に移動するため、車も電車も大混雑。リラックスするつもりが、外出で疲れが倍増。負の外出体験が積み重なった結果「祝日=外出しない日」が定着してしまっているのかもしれません。

日本は他国と比べて有給休暇の消化率が低いことはご存知の方も多いかと思います。その理由の1つに、祝日の多さがあるともいわれています。祝日が多いため、さらに有給を取ろうとすると「休んでばかりいると仕事が進まない」「祝日で休んだのにまだ有給で休むのか……という周囲の目が気になる」と考え、有給取得には消極的に。こうした休みの自由度の低さが国民一斉休暇の民族大移動を起こし、祝日の外出離れを生み出す結果につながったのかもしれません。 4月より働き方改革法案が順次スタートし、働き方改革元年といわれる2019年。働き方の多様化と並行して休み方の多様化が進むことが、移動日の分散ひいてはお出かけ意欲の向上につながると考えています。 環境の変化が生活者の移動にどのような影響をあたえていくのか、引き続きレポートしていきます。
※調査手法:インターネット調査
※調査対象:18~79歳の男女1,000人
※調査期間:2019年5月11日~12日
五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長
1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。