
未来の移動とそこにあるべきマーケティングコミュニケーションを構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、全国男女18~79歳のお出かけ意欲を毎月の定点調査で聴取し、Move Mind Index(以下MMI)としてスコア化しています。
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緊急事態宣言の前後でお出かけ意欲の低下度合に変化なし。
コロナ以前比1割減で推移
6月のお出かけ意欲(MMI)は、10点満点中5.53点。
東京都や大阪府など10都道府県で緊急事態宣言、埼玉県や三重県など8県でまん延防止等重点措置が発出中であった6月5日から6日に行われた調査で、MMIは、前年同月比(昨年の首都圏・北海道の緊急事態宣言解除後の調査との比較)で、102.8%という結果となりました。
3度目の緊急事態宣言前の今年3月、4月、宣言後の5月、6月ともに、MMIはコロナ以前の2019年同月比で約1割減となっており、宣言慣れの様相を呈しています。
お出かけ意欲は季節変動の影響を受けて推移しますが、波形としてはコロナ以前と同形に戻っており、今後、スコアとしてもコロナ以前の水準に回復するのか、動向が気になるところです。

年代差の大きい女性のお出かけ意欲。
女性若年層ではコロナ前を上回り、女性高年齢層では引き続き停滞
6月のMMIを性年代別で見たものが次のグラフです。性別・年代で傾向に違いがみられます。
男性は、どの年代でも5.5ポイント前後で、年代間に大きなスコア差はありませんが、女性では、18~29歳が突出して高い結果となっています。女性18~29歳のMMIは、コロナ以前同月比が103.5%となっており、お出かけ意欲は完全復活といえる状態です。一方、コロナ以前は他の属性と比較してお出かけ意欲が旺盛だった女性60代、女性70代のMMIは、コロナ以前同月比で約8割まで低下しています。また、女性30代も、女性の中ではお出かけ意欲が低くなっています。
新型コロナワクチンの接種は、医療従事者等と高齢者から進められており、その進捗次第で、女性高年齢層においても、お出かけ意欲の復活がみられるかもしれません。

男性60代の外出率が突出。
女性30代では、お出かけ意欲と同様に外出率も低水準
5月29日(土)と30日(日)のいずれかに外出をしていた人は46.7%。前年同月比(昨年の5月最終週の土日いずれかの外出率との比較)で、約1割増となっています。
性年代別にみていくと、お出かけ意欲は女性18~29歳で突出していましたが、外出率が高いのは男性60代となっています。男性18~29歳、女性30代では、外出率が3割台にとどまっており、女性30代は、お出かけ意欲も実際の外出率も低い結果でした。

今年の梅雨入りは、東海以西では平年よりも早く、関東以北では平年よりも遅くなりました。季節変動の影響を受けるお出かけ意欲は、梅雨明けが予想される来月7月には、平年通りで推移すると6月から微増、となるところです。緊急事態宣言は一部を除き解除され、21日からまん延防止等重点措置に移行しましたが、7月以降もお出かけ意欲はコロナ以前比1割減の状態が続くのか、ワクチン接種等の影響で復調となるのか、注視していきたいと思います。
<調査概要>
- 調査手法 : インターネット調査
- 調査対象 : 18~79歳の男女1,000人
※国勢調査の人口構成比に合わせて、性別×年代×エリアで割付 - 調査期間 : 2021年6月5日~6日
五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長
1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。