
未来の移動とそこにあるべきコミュニケーションを構想するプロジェクトチーム「Move Design Lab(MDL)」は、全国男女18~79歳のお出かけ意欲を毎月の定点調査で聴取し、Move Mind Index(以下MMI)としてスコア化しています。
MMIの詳細についてはこちら
※5月11日追記 図表の記載内容に誤りがありましたので訂正しました
お出かけ意欲は、コロナの影響が出始めた昨年同月を大きく上回る
男性、女性若年層では、平常時に近いレベルにまで回復
3月のお出かけ意欲(MMI)は、10点満点中5.64点。
新型コロナウイルス(以下コロナと記載)の影響で、MMIが大きく低下したのが1年前の2020年3月だったことから、そこを基点として1年間を区切って結果をみていくと、今回のMMIのスコアは、コロナ1年目同月比(2020年3月との比較)では120.0%、コロナ以前同月比(2019年3月との比較)では91.0%となっています。
コロナに関する情報も少なかった1年前の状態からは回復していますが、まだ平常時の水準には戻っていない、という結果となりました。

また、属性によって、お出かけ意欲の回復状況には違いが出ています。
MMIのコロナ以前同月比が、男性では95.3%、女性18~29歳では98.8%と、平常時にかなり近い水準まで回復している一方で、女性60代、70代では、それぞれ75.6%、80.1%と、平常時を大きく下回っています。

週末の外出率は、昨年同月と同率で約5割
お出かけ意欲は昨年を上回る結果となりましたが、実際の外出率(調査前週の土日いずれかの外出率)は、
昨年と同じ50.9%となっています。
実際の行動よりも意欲の方が先行して表れている可能性があることから、今後は、外出率も昨年を上回っていくのではないかと予想しています。

コロナ明けのお出かけを楽しみにしている人は約7割
具体的な計画を立て始めている人は2割を超える
今後のお出かけに対する意識として、「コロナが落ち着いたら行きたいと思う場所がある」という人は67.7%、「家族や友人・知人と、コロナ終息後に行こうと話している場所がある」という人は57.5%となっています。具体的な計画まではいかないけれど、コロナ明けのお出かけを楽しみにしている、という人は多いようです。
また、「次の大型連休に行きたい場所がある」という人は37.6%、「次の大型連休のお出かけ・旅行の計画を立て始めている」という人は24.9%となっており、約4人に1人は、気持ちだけではなく、準備にまで移っているようです。

属性別にみていくと、女性の30代までと70代では「コロナが落ち着いたら行きたいと思う場所がある」「家族や友人・知人と、コロナ終息後に行こうと話している場所がある」と、漠然とコロナ明けのお出かけに思いを馳せている人が多いのに対して、男性30代まででは「次の大型連休のお出かけ・旅行の計画を立て始めている」と、行動にまで移している人が多い、という傾向です。
コロナの状況次第ではありますが、お出かけがしやすい状況になったときに、いち早く動き出すのは、男性若年層かもしれません。

東京でも桜が開花し、首都圏1都3県の緊急事態宣言は3月21日をもって解除されました。コロナ禍2年目となる今後のお出かけ意欲、外出率の動向を引き続き注視していきたいと思います。
<調査概要>
- 調査手法 : インターネット調査
- 調査対象 : 18~79歳の男女1,000人
※国勢調査の人口構成比に合わせて、性別×年代×エリアで割付 - 調査期間 : 2021年3月6~7日
五明 泉 Move Design Lab代表/恵比寿発、編集長
1991年jeki入社。営業局配属後、通信、精密機器、加工食品、菓子のAEを歴任、「ポケットモンスター」アニメ化プロジェクトにも参画。2014年営業局長を経て2016年よりコミュニケーション・プランニング局長。