コンバージョンだけじゃない!
「オンライン×リアル」の連携で高まる、
JICのデジタルソリューション提案の提供価値とは?

jekiデジタル VOL.4

左下:直井伸司(jekiメディアマーケティングセンター センター長 兼 株式会社Data Chemistry 取締役)
右下:住友千絵(株式会社 jeki インタラクティブ・コミュニケーションズ プランナー)
右上:松島大進(株式会社 jeki インタラクティブ・コミュニケーションズ プランナー)

Webを活用したプロモーションのニーズがコミュニケーション施策の主流となるなか、デジタル専門の広告会社として2016年に誕生したjeki インタラクティブ・コミュニケーションズ(以下、JIC)。急速に進化し続けるデジタル領域において、jekiグループの多彩な資産を活用しつつ、「マス×デジタル広告」「交通広告×デジタル広告」などの新たな価値提供を行っている。jekiのデジタル関連会社としての特徴やその取り組みについて、同社の住友千絵と松島大進に、jekiメディアマーケティングセンター長の直井伸司が話を聞いた。

デジタル広告社ながら、コミュニケーション戦略の上流に関与する

直井:JICはデジタルメインを掲げつつ、グループの一員として、幅広く事業に取り組んでいます。
その中で、お二人が担っている役割や業務についてお聞かせください。

住友:私はメディアプランナーとして、JR東日本の観光列車のポータルサイト「のってたのしい列車」をはじめ、JR東日本グループの商業施設、一般顧客企業などのWebプロモーションを担当しています。設計から運用、分析、改善までを一気通貫で担当し、ソリューションチームと連携し、KPIやKGIなどの数字を追いつつ最適化を図るという運用業務が主軸になります。LPや動画制作などWeb周りで手を動かすことも多いですが、コミュニケーション戦略の段階から関与することもあります。

松島:私もメディアプランナーとして、JR東日本の「ガーラ湯沢スキー場」「東京ステーションシティ」などの施設のほか、「大人の休日俱楽部」「びゅう」などの旅行商品、駅内のコワーキングスペース「STATION WORK」などのWebプロモーションを担当しています。最近は、jekiソーシャルビジネス開発局と連携して、官公庁や地方自治体のプロモーション案件にも参画することが増えてきました。

直井:幅広くお仕事をされる中で、特にJICのユニークさはどのようなところにあると思われますか。

住友:JICではjekiと連携してトータルなソリューションとして成果と利益を上げる考え方なので、必要であれば「トライアルで1万円からやってみる」こともできますし、オフラインまで見渡したプランも立てられます。そうした柔軟性は特徴だと思います。デジタル以外の領域に関与することもJICならではといえるでしょう。

松島:私も広い視野で柔軟な提案ができるのはJICの特徴だと思いますね。かつては、予算にあったデジタルメディアを見繕ってというオーダーが中心でしたが、最近では、お客様の課題解決を目的とした提案を行う機会が増えてきました。これまで、「戦術」として捉えられていたデジタルが「戦略」として考えられる必要性が高まっていることを実感しています。実際、jekiからはメディアの見立てだけでなく“デジタル戦略の専門家”としての知見を求められ、逆にjekiの総合的な戦略設計を学ぶ機会も多く、全体を見渡しながらデジタルの価値を発揮できる環境だと感じています。jekiとは物理的にも心理的にも近いので、都度相談して必要な情報を得たり、提案したりしています。

移動データやリアルとの連携で、デジタル広告はもっと面白くなる

直井:jekiグループ独自のリソースが活用できるという面についてはどのように捉えていますか。

住友:jekiのリソースであるマスメディアや交通媒体などの情報に触れられるのは、大きなアドバンテージです。それらを含めた全体戦略や上流過程が見えた上で、デジタルが拾うべき部分を考えればより効果的な施策が打てると思います。さらに私が可能性を感じているのは、リアルの移動データとの連携です。「メディア接触後のユーザーのリアルな行動変容をどう測定するか」は、業界の大きな課題であることは間違いありません。JICでもジオターゲティング広告やGoogleローカルキャンペーンなどの位置情報を活用した広告手法でより効率的な顧客企業の来店促進を検証しており、オン&オフの連携で、デジタル側で何ができるのか今後も考えていきたいです。

松島:私も「移動データ」をベースとした、交通広告や商業施設などとデジタルの連携は、JICの課題であり、強みだと思っています。駅は単に移動の拠点としてだけではなく、ファッションやジム、グルメもあり、生活の拠点でもあります。NewDaysも入っていて、駅で何でも買えるという状況で、「駅にいる人」「電車に乗っている人」にどうアプローチするか。そこに応えるものの一つとして、jekiの強みである交通広告とJICのデジタルスキルを活かした「Yahoo! JAPANブランドパネル広告」(通称:ブラパネ)による連携施策を提供しています。

Yahoo!マーケティングソリューション https://marketing.yahoo.co.jp/

住友:通勤通学等で定期的に電車を利用している人や電車の中でスマホを見ている人に、交通広告と連携したデジタル広告を配信できれば、相互補完や相乗効果が期待できます。また、現在新型コロナウイルス感染症の影響で移動者が減少していますが、この施策では減少する前に遡って、当時移動していた人にリーチができるようになっています。以前は電車に乗っていて、今は乗っていない人はテレワークの可能性が高く、そうした人に向けて広告展開することが可能です。快適な椅子やWeb会議用の照明、家飲み用のビールなど、訴求できそうな商材はいろいろと想像できます。

直井:オフラインとオンライン、交通とデジタル、もしくはテレビなどマスメディアも含めたクロスメディアの可能性はグループ一丸となって追求していきたいですね。

デジタル広告の活用支援を通じて地域創生にも貢献

直井:松島さんは官公庁や地方自治体への提案も行っているそうですが、グループにとって地方の「観光」や「地域創生」は大きなテーマです。JICではどのような施策に取り組まれているのでしょうか。

松島:テーマは本当に多く、地方議会や首長の選挙公報から、移住支援プログラムの情報拡散、都市部からの観光客誘客や、インバウンド誘致目的の海外向けプロモーションなど様々です。ただし、都市部とはデジタル活用に対する温度差があり、施策や効果を理解いただくのに時間がかかります。幸いグループとしてデジタル以外の施策も提案できるので、まずはそのコミュニケーションの中からデジタル施策について紹介する、いわば勉強会的にナレッジ提供から始めています。

住友:JICではjekiの支社、支店との勉強会を継続的に行っていますよね。かつて私が在籍していたデジタル専業会社との比較になりますが、当時のクライアントはほぼ東京や首都圏で、地方の顧客はあまりいない印象でした。顧客の目的も“獲得”であり、“認知”という長期的な目的とは考え方もアプローチも全く異なっているように感じます。

松島:私もコンペの際に同じことを感じました。専業は“獲得”する商材に傾注している印象です。JICはECサイトの集客獲得はもちろんですが、イベント集客や地方への移住を支援する認知プロモーションにも力を入れています。特に官公庁や地方自治体では、デジタルが強くなってきたとはいえ、地元のマスメディアやポスターなどの告知も手放せません。そういった意味では、メディアの買い付けからクリエイティブの制作、イベントの企画運営など、それを得意とする協力会社と提携しながら業務を進められる総合広告会社の一員であるメリットを感じています。
私が専門家として同行してデジタルに関する話をする際に心がけているのは「翻訳者であること」です。どんなに知識があっても、現場と違う言語で話していては伝わらない。案件ごとにデジタル活用の仕方も異なるので、首都圏にある広告会社として業界のトレンドをキャッチアップしながら柔軟に考え、わかりやすく迅速に伝えることが大切だと考えています。地方創生やデジタルシフトが本来の目的とすれば、私の本質的なミッションはメディアを売ることではなく、情報のパイプ役になることかもしれません。

変化の激しいデジタル広告で長期的な価値創造を目指す

直井:今後デジタル広告は個人情報保護の厳格化もあって新たな局面を迎えつつあります。今後についてはどのような展望を持っていますか。

住友:CookieやIDFAの使用許諾は今後の動向がとても気になりますし、この流れは止められるものでもないので、最新の情報や考え方などをしっかり把握しながら、いろいろな対応策に取り組んでいくつもりです。たとえば、今まで以上にクライアントのファーストパーティデータの分析を厳密に行いプロモーションに活用していくこと、大手SNSやGoogle・Amazonなどのメガプラットフォームへの出稿比率が上がる影響を考えること、ポストCookieの代替技術に関する情報を収集し、速やかに適用していくこと、コンテキストターゲティングなどで閲覧者にフィットした広告配信を模索することなど、考えるべきことは山積しています。とはいえ、今までできたことができなくなるのはWebの世界ではよくあるので、現状に満足せず、不安がらず、常に新しいことに挑戦していきたいです。

松島:さらに加えるとしたら、ユーザーが自分ごととして捉えられる広告をつくっていくべきだと考えています。単なるSNSだったInstagramも、投稿画像から直接ECサイトで購入ができるショッピング機能が加わり、今やAmazonや楽天市場と並ぶECのひとつになっています。このように、メディアが「購買チャネル」の一つとなって、より便利になっていくことが考えられますし、そうした動きの中では、広告自体が魅力的なコンテンツになっていかないとダメだと思いますので、魅力的なコンテンツという点では、「クリエイティブ」の重要性が一層増していくと考えています。

住友:広告は顧客体験で最初の接点です。コンバージョン獲得も大事ですが、長期的なファンになってもらうには、好感を持ってもらうことが大切です。入り口から好印象をもたせるほうがファン化への近道だと思うので、広告も長期的な印象形成のコミュニケーションとして考えていきたいです。また、手法としては前述したようなオン&オフの連携を課題と捉え、移動や交通などのデータを扱いながら、トライ&エラーを繰り返しつつソリューションを提供できればと思っています。

松島:私も、オン&オフ両方を見ながら戦略的に企画できる統合プランナーを目指しています。またデジタルにおけるクリエイティブの重要性を強く感じているので、業種、商材にあわせてその勝ちパターンを見つけられたらと考えています。そのための分析の手法を見つけ、体系化し、JICの価値としていきたいです。

直井:お二人の意欲的なお話に大変刺激を受けました。本日はありがとうございました。

住友 千絵
プランナー
株式会社 jeki インタラクティブ・コミュニケーションズ

大学卒業後、大手IT企業の営業として国内航空会社などナショナルクライアントのシステム開発・サイト制作・プロモーションを担当。
海外でのスタートアップ企業の就業経験を経て、2018年JIC入社。
JR東日本、JR東日本グループ、一般クライアントのWEBプロモーションプランニング・戦略設計に携わっている。

松島 大進
プランナー
株式会社 jeki インタラクティブ・コミュニケーションズ

大学卒業後、大手銀行に入社。
中小企業から大企業の財務分析や金融取引など法人営業担当を経て、インターネット専業広告代理店に転職。
2017年JIC出向入社(その後2020年転籍)。
JR東日本、JR東日本グループ、官公庁・自治体などの地方を中心としたWEBプロモーションプランニング・戦略設計、意匠制作に携わっている。

上記ライター直井 伸司
(jekiメディアマーケティングセンター センター長 兼 株式会社Data Chemistry 取締役)の記事

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jeki Digital

劇的な変化を続けるデジタル領域において、移動や体験、リアルとオンラインなど、jekiの特性をいかした取り組みの紹介や有識者との対談をお送りします。

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  • 直井 伸司
    直井 伸司 jekiメディアマーケティングセンター センター長 兼 株式会社Data Chemistry 取締役

    1992年jeki入社 。約17年間、人事部門にて、採用、教育、評価、制度など人事全般を担当。 その後、JR局にて、「JR SKISKI」や「大人の休日俱楽部」のキャンペーンなどJR東日本関連の案件を担当した後、 第一営業局にて、JR東日本グループの商業施設の担当などを経て、 2019年7月、メディアマーケティングセンターのセンター長となり、現在に至る。 なお、現在は、㈱Data Chemistry、㈱JICの取締役を務める。