ママたちが「充足消費」するとき時の気持ちは?〜ママの買い物調査レポート②

イマファミ通信 VOL.28

こんにちは。イマドキ家族のリアルを伝える「イマファミ通信」担当、イマドキファミリー研究プロジェクトチームです。
2019年度は首都圏40km圏で長子が小学生以下のママを対象に、「ママの買い物調査」を実施しました。Vol.25では「充足消費(家族や自分のために行うことによって、ママ自身が充足感を味わえる消費)」として、どういうものを消費しているのかを紹介しました。「コロナ疲れ」が叫ばれる中で、「充足消費」はママたちにとって今最も求められている消費かもしれません。今回は、「どういう時に」消費を行い、そのことによって「なぜ心が満たされたのか」、ママたちのインサイトに迫っていきます。

※以下、 「共働きママ」は、自身及び夫がフルタイムで働いている、長子が小学生以下のママを指します。

共働きママたちが充足消費したくなるのは「モチベーションアップしたい時」

まず、「どういう時に」充足消費を行うかについて見てみましょう(図A)。「家族みんなで利用する目的」における充足消費のタイミングは、共働きママ・専業主婦ママともに「旅先での思い出を作りたくて」が1位ですが、注目したいのは両者の差が大きい項目。共働きママは「自分の目標で一区切りがついた時」「自分のモチベーションを上げたい時」の順位が高い一方で、専業主婦ママでは「自分の誕生日」「結婚記念日」の順位が高くなっています。
同様に、「自分で利用する目的」における充足消費のタイミングを見ても、「自分のモチベーションを上げたい時」「自分の目標で一区切りがついた時」は共働きママで高い傾向にありました。共働きママたちは、誕生日や結婚記念日といったアニバーサリーよりも、自分の生活サイクルや気持ちに合うタイミングで充足消費を行っていると言えそうです。

共働きママにとって、「充足消費」はエネルギーチャージ!

次に、「充足消費」がママ自身の充足感につながった理由について見ていきます(図B)。「家族みんなで利用する目的」における充足消費では、共働きママ・専業主婦ママともに「家族が喜んでくれると思ったから」が圧倒的に高いという結果になっています。このことから、家族が喜ぶ消費をすることによって、ママ自身も充足感を得られている様子がうかがえます。
「自分で利用する目的」における充足消費では、共働きママ・専業主婦ママともに「頑張った自分を労(いた)われたから」がトップ。両者共に2位の「自分がよりよくなれると思ったから」、共働きママで5位の「自分を格上げしてくれると思ったから」については、専業主婦ママより共働きママの方が低くなっています。反対に、共働きママで4位の「次の目標・原動力につながるから」については、専業主婦ママより共働きママの方が高いという結果になりました。
「今よりよくなりたい」という意識はもちろんあるものの、「次につながるもの=不足したエネルギーをチャージしたい」という側面も持ち合わせているのが、共働きママたちの充足消費の特徴ではないかと考えられます。

Vol.25で紹介した通り、充足消費自体の実施率は共働きママのほうが高くなっています。この差は世帯収入やママ個人の可処分所得の高さによるものとも考えられますが、今回紹介した調査結果から、別の側面も浮かび上がってきました。共働きママたちは「自分をよりよくしたい」というプラスオンの意識だけでなく、「充足消費でエネルギーチャージし、次の目標・原動力につなげたい」という意識もあるため、専業主婦ママたちよりも「充足消費」の実施率が高いのかもしれません。

次回は、自分のための「充足消費」カテゴリで第1位の「ファッション」の購入における、共働きママと専業主婦ママの違いについて紹介する予定です。

##調査概要
2019年度 ママの買い物調査

  • 調査地域 : 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県(東京駅を中心とする40km圏)
  • 調査方法 : インターネット調査(調査会社のパネルを使用)
    ※アンケートに加え、実際の「充足消費」の写真も、モニター自身でアップロードしてもらい回収
  • 調査対象 : 長子小学生以下の25〜49歳の既婚女性 計1293ss
    夫婦同居であること。親同居者は除外(女性側の勤務形態と子供の学齢で割付)
  • 充足消費の集計方法 : 1サンプルあたり最大3点まで回答があるため「充足消費」1点につき1レコードとしたレコード集計を実施
  • 調査期間 : 2019年6月28日(金)〜7月8日(月)

上記ライター土屋 映子
(シニア ストラテジック プランナー)の記事

イマファミ通信

イマドキファミリー研究所では、働き方や育児スタイルなど、子育て中の家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、イマドキの家族はどのような価値観を持ち、どのように行動しているのかを、定期的な研究により明らかにしていきます。そして、イマドキファミリーのリアルなインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することを目的としています。

[活動領域]

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  • 高野 裕美
    高野 裕美 イマドキファミリー研究所リーダー/エグゼクティブ ストラテジック ディレクター

    調査会社やインターネットビジネス企業でのマーケティング業務を経て、2008年jeki入社。JRのエキナカや商品などのコンセプト開発等に従事した後、2016年より現職。現在は商業施設の顧客データ分析や戦略立案などを中心に、食品メーカーや、子育て家族をターゲットとする企業のプランニング業務に取り組む。イマドキファミリー研究プロジェクト プロジェクトリーダー。

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    荒井 麗子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    澤 裕貴子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

    2002年jeki入社。商業施設の戦略立案などのプランニング業務に従事し、 その後アカウントエグゼクティブとして広告宣伝の企画立案・制作進行などの業務を担当。 2011年より現職。現在はJRやJRグループ会社の調査やコミュニケーション戦略立案などを中心に、 プランニング業務に取り組む。

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    土屋 映子 イマドキファミリー研究所 シニア ストラテジック プランナー

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    河野 麻紀 イマドキファミリー研究所 ストラテジック プランナー

    2008年jeki入社。ハウスエージェンシー部門のプランニング業務に従事した後、営業局、OOHメディア局を経て、2017年より現職。現在は営業・メディアで培った経験を活かし、再びプランニング業務に取り組んでいる。